第384話【俺は】な

「貴様何者だ」



 なにやらギャーギャー喚いてる男が一人。先ほどの無茶苦茶な事を言ってた馬鹿だ。



「お前がここの指揮官か?」



「そうだ。とりあえず門を開けよ、話はそれからだ」



 あくまでも強気に自身が上位者であるつもりなのね。だが、尋問するのはこいつだけでも良さそう…・・・馬鹿そうだし、もう数名残すとしよう。それとお望み通門は開けてやるか。


 門に降りると巨大な閂かんぬきを外し門を開き、俺は外へ出る。


「そこの仮面の男、貴様の身柄拘束する。抵抗は無駄だ、大人しくするが良い」


「拘束されるのはお前達だ。寝言は寝て言うんだな」


 何するかって? 過去エルフの森を襲ってきた人間にやサクライの地雷娘に使ったのと同じ事をするだけだ。厳密にはエルフの森の時よりは凶悪になっているからな。両手両足とそれについている二十指、それら全てが10kg重くなる。細かく指定さえすれば思いつく限り重くできるがとりあえずはこんな物だろう。行き掛けの駄賃にレベル、各種ステータスもマイナス10追加だ。



 240kgの錘に能力の低下、当然耐えられる訳も無く両腕を地面に着く事になる。この時点で能力低下と倒れた時の重みで耐えれなかった者は地面と熱烈なキスで顔を真っ赤にして昇天することになる。


 半数が動かなくなり、一部の機転の利く者はなんとか頭を守り、能力がある物は平伏したような姿勢をしている状態だ。



「貴様ぁ何をした」


 また馬鹿が吼えている。この状態で吼えるのだからある意味凄い。指揮官の元へ向い空間庫から適当な剣を取り出し、見える様に首筋に当てる。


「お前が質問できる立場ではない。分からないのであればその首落とすまでだがどうする?」


「ふざけるな、さっさと」


 指揮官は最後まで言葉を囀る事は無かった。まぁ俺が宣言どおり首を落としたからなのだが。となると次の尋問相手が必要だな。身なりの良さそうな奴から行くとしよう。


 俺がこれ以上の危害を加えないと言う約束の元結果分かった事はこの国の経済状態があまりに酷い事。それを打開する案が、物資を集中させていた事に難癖をつけて国が自国の貴族に強盗を働こうとしていたって事だ。ついでにこの馬鹿共は通告に行くと称して先乗りし、8割程度の部隊を町に残して陵辱と略奪をするつもりだったようだ。


「さて、諸君。俺が聞きたい事は聞けた。あと数時間すればこの呪縛からも解き放たれるだろう。当然ながら俺は紳士なので約束は果たす。このままこの地を去るとしよう。それではごきげんよう」


 転移符を使い俺は移民たちの元へ転移した。

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