第349話受け入れの相談
部屋に戻るとすぐ転移符を使い楽園へ飛ぶ。その後念話符を取り出し、ルイへと連絡を取る。
(どうしたんだい?)
(王様にお願いがあってね、そっちとしても悪い話では無い)
(そいつは興味深いね、とりあえず言ってごらんよ)
(まずは色々聞かせてくれ王様。国民はどれほどいるのかな?)
いないのは分かってる。道すらまだ終わっちゃいないんだ。
(知ってて聞いているんだろう? その話しぶりだと移民かな?)
(御名答、俺が受けた依頼は沈みそうな国からの亡命。貴族と多分だが商会の職員になるだろう人数はまだ不明だがな)
(こちらのメリットは?)
(運営側に使える人間と商売のノウハウのある人間。商業主体でやっていくとか使い道はあると思うが?)
(ダイスの街に入るならいいさ)
(まだ商談の段階だからどうなるかわからんが、その時は頼む)
(実入りはありそうだから構わないよ。まぁ場合によっては粛清するけどね)
(そこは当然だろ任せる)
(代表の人間だけでも一度会わせて欲しいな、それくらいはしてくれるんだろう?)
(場所は白亜の街でいいな?準備が出来たら連れて行く)
(決まったら教えて、あわせるから)
念話符を切ると食料をヘスに渡しその場を後にする。
ーーーー
着いた先はドワーフの島。こっちでも取引を進める必要もあるし、鉱物の奪取もやるべき項目である。
まず驚いたのが道だ。今までの土地の中で一番整地されており、歩道と馬車用の道、まるで近代の道路の様だ。ガードレールまでついていると本当に帰ってきたのではと、錯覚するほどである。
手押しポンプ、水車、それを動力とした様々な物も見かけたこの島は間違いなく同類、自然に発展した可能性もある。場合によっては潰さなければならないかもしれない。
ドワーフの服装もイメージと違い大人しくフォーマルな感じだし俺の中のドワーフイメージ像は完全に崩壊している。まず女性に見た目子供しか見てないのがおかしい、ヒゲが無いだけの樽みたいな女性よりはマシだが。
町並みを見回りながら歩くと。
「人間の兄ちゃんとは珍しいねぇ」
俺を呼び止めたのは口調とは裏腹に小柄の少女だった。
「商人って奴は強欲だから何処にだって行くんだよお嬢ちゃん」
「こう見えてアンタよりは年上だと思うよアタイは」
見た目はどう見ても一桁なんだが。
「それは失礼した。酒が売れると聞いて来たんだが、良い商会なんかはないだろうか?」
「教えても良いけど、一つ条件があるよ」
無い胸を張り偉そうに言う姿は微笑ましい。
「条件を聞こうか」
「売るお酒の味見よまずいのを紹介したんじゃ面目に関わるからね」
それもそうか。
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