第295話魔王

 元々の目的である、ルイが代わりに来る事を伝えて俺は早々に話を終わらせ、外へ出た。国としては小さく都市としては大きいこの場所からだ。



 理由は思ったよりも猶予が無さそう、それだけである。途中で転移符を仕込みはしたが、流石に国の外側に隠した。見つかって良い物ではないからな。




 それから最速で5時間ほど飛ぶと日も昇りだし目的地の王都に着いた。正直、さっきいた国に比べればみすぼらしい。国の中心部?どう見ても大きいだけの砦と申し訳程度の城があるだけである。



 隠れながら近寄ると、嫌な声が聞こえてくる。どういう声かはご想像にお任せしたいって位には不愉快な物だ。朝っぱらから元気な物だ。



 可能な限り砦の中を探ると、匂いと光景に吐き気がしてくる。こいつらは人間じゃない。いや、これこそが人間の本性かもしれないか。





 ここは巣だ。ハーレム子供を作るだけの場所。ここにある施設は大まかに3つ。生活に必要な施設。子供を育て、そのまま兵に育てる施設。最後に子供を作る施設。




 必要な物資等は全て運び込ませているのだろう。生産的な施設が一切見当たらない。




 人は大まかに3種類。青い線の男、それが無い男、そして女。関係は察する事は容易い。




 ある程度周って一つの場所で俺は呆然とした。その場所は鳥と腐臭と辱められ、吊るされた様々な種族の死体が大量にある。大小様々な・・・




 その中にあまりに小さい者の亡骸を見て俺は視線をそこで止めた。




 同時に歌いだした。前にもこの歌った曲だ。今なら題名と同一化しても良い。こいつ等に対してなら。




 一区画、全てを対象にマイナス修正を施していく。ただしHPだけは1以下にしないよう設定済みだ。同時に銃器とルイに貰った赤銅色の剣を出す。




 剣の光と何処の言語かも分からない歌が聞こえてくるのだ。しかも早朝に、当然青い線入りの人間が出てくる。





 なにか話しかけようとしてるようだが。その前に頭部から赤い花が咲いた。剣を振るえば素振りでもしたかのように相手の武器ごとするりと落ちた。












 それからどうしたんだったかな? 虱潰しに一区画、一区画。丁寧に確実に、殺意を込めて。途中女が他の女を庇うように立ちはだり、線が無い男が許しを請うように地べたを這うが。興味が無い。そのまま横を通り過ぎる。




 流石に途中から逃走を始める線持ちが出てきたので空中から撃つ。一匹たりとも逃げる事は許さない。そのうち線持ちも許しを乞う。先ほど見た男のような行動を取るが、散弾をくれてやった。



 終わる頃には日が沈み出していた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る