第263話遅刻

 冷たい、どうやら倒れていたようだ。俺は敵の残党を駆除してる内に倒れたらしい。この術式の中では自分の体力把握すら良く分からない。



 常に倦怠感に襲われる空間だ。そんな事もあるだろう。術式は解除しない限りは継続する。お陰で襲われることも無く過ごせたのだがな。それからしばらく城を回るが駆除は終わったと見て良いだろう。残りはルイにでもやらせるのが良いだろう。



 術式を解除し、念話符でルイに連絡を取る。



(聞こえるか?一通り駆除した。残りの処理を任せたい)



(今回は随分掛かったね。3日も連絡が無いから諦めかけていたよ)



 3日? 随分と気絶していたようだ。やはり長時間の行使は避けたほうが良いのだろう。



(休憩を挟みながら駆除してたら時間が掛かっただけだ。疲れる空間だからなアレは)



(そうだろうね。何故ダイスが動けるか不思議でしょうがないよ)俺も最初は全くだったよ。



(座標をそちらに送る。後は任せる)


(後は任せてくよ、ご苦労様)



 座標を送り、その後俺は中継地点に飛んだ。期日を過ぎてしまったが。返事を聞きに行くとしよう。今回の顛末を見守りたい気もするが、約束の日時を過ぎている。早々に行くべきだ。








 森へ着くと、この前来た時とは様子が違った。どう?と問われると少し説明しがたいが、明るい?いや、開放的と表現するのが一番適切なのではないだろうか。



「待ってたわ」



 また後ろを取られた。もうこいつ等アサシンにでも転職した方が良いのではないだろうか?



「少し立て込んで遅れた。それで、返事はどうだ?」



「全員移住でお願い。あんな素晴しい土地があるなんて想像もつかなかったわ。私達にとってあそこは理想郷よ。面倒な外敵もいない、豊富な光とマナと肥沃な大地。これ以上求める事は無いわね」



 前のあった時の雰囲気とは違う。興奮気味だ、どうやらお気に召したようだ。



「確かに承った。まずはお前からだ。本体の所に案内しろ。根ごと移動する」



「ええ、こっちよ」


 そこにあったのは巨木。そんなものは無かったと思ったが、それすら認識させないのが恐ろしい。陣を敷き、転移を始める。



 問題なく転移は成功したようだ。根も綺麗に転移できただろう。



 その転移を皮切りに押しかけてくる、数も思った以上に多く木も大きいため、思った以上に時間が掛かった。



 疲れた・・・寝よう。ようやく戻った俺は倒れるようにベットに入り寝た。

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