第247話火葬
「ただし、私と直属の精鋭は使者殿に同行させてもらう」
「意図をお伺いしても?」面子や監視って所だろうが。今回はいつものアレは使うまでも無さそうなのでいいか。
「成功率を例え微かでも上げる為です。作戦も是非聞きたい。何も言わず一人で行かれてはいそうですかとは流石に行きませんよ」
全くもってその通りだな。
「良いでしょう。作戦なんて呼べるレベルの物ではありませんよ。では少し試してみましょう。今この場にいる全てにある呪術を施しました。効果は単純に鈍化です。全力で駆けるなりして効果を感じて見てください」
反応を見るに動きづらい程度だ。ここにいる者はそこそこ早く動ける者が殆んどこんなものだろう。
「確かに面白い呪術だ。だが、これであの大軍勢をどうする?」
「説明に不備がありました申し訳ありません。この呪術は鈍化と言いましたが正しくは速度のマイナス補正。分かりやすいよう、数値で説明しましょう」
「皆様の速度が最大50としましょう。私が下げれるのは10程度です。50もある皆様なら動き辛い程度。しかし、今回の相手は話を聞くに10も無い。即ち0、無です。いくら多くとも動かないただの的などどうとでもできる。油でも撒いて火葬してやれば良いだけの簡単な作業です。この呪術ですが範囲は視界で前後左右上下見回した範囲程度で数の制限はありません」
「成る程、敵が討てなくても、釘付けには出来る訳ですな。素晴しい、味方であった事を神に感謝します」
神に貰った物だ。あながち間違っていないな。
「もし同行をするのであれば 炎の魔術を仕える者が好ましいです。後は風を起こす魔術もあれば最高ですね」
まぁ勝ち目が現実的なると皆出てくる訳で。普通に半分は来てないかこれ?
敵は全く動かない。
陣形は薄く横に広くなっている。前線は油の入った壷を投擲する兵、その後ろに飛距離を風で伸ばす魔術師。点火をする為の火矢の弓兵と炎の魔術師。
炎は野火の様には行かないが確実に広がっている。ネクロマンサーの様な術者はほぼ中央にいるとの事で動かない死体とマイナス修正での動き辛さで今頃慌てている頃だろう。
空は暗いが地は昼間の如く。無心で作業を終わらせるとしよう。
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