第240話ルイの悪巧み

 俺は挟撃軍を送り出した。俺は俺でやるべき事があるからな。



 やるべき事。おれは万が一ここが攻められる場合の守護。まぁ引き篭もった奴等が出てくるとも思えないが万全を期す。



(ダイス、聞こえてるかい?)


(ルイか、どういた?)



(この前の水源確保のとき水を拝借した場所があったろう? あれ、まだあるかい?)


(あるぞ。なんに使うかは知らんが。量を考えろよ?水源豊富な都市が急な水不足とかになったら大惨事だからな)




(分かってるさ。じゃあ今から取りに行くから、設置と座標よろしく)



 それなら滝の座標を渡したほうがいいのでは? 報告なんかもあるのだろうか。



 程なくしてルイは来た。人に見られない個室を探すのに苦労した。



「早速だけど札を頂戴な」



 ほらよっと投げ渡すかのようにルイに札を渡す。



「確かに貰ったよ。それから、今いる戦力を餌のように敵の鼻先に布陣して貰えるかな」



「そういうのは余り好きじゃない」



 俺が露骨に嫌がるとルイは笑い「何も本当に餌に売る必要はないよ。そこで重要なのは、あくまで相手にも餌だとわかるような布陣でさ。そうだな、この森から少しでた平原に布陣で行こう、実際に敵が来たら緩やかに撤退が理想だね」



 何をやらかすつもりだ?多分警戒心を持たせ確実にそこへ縛り付けるのが目的だが。



「何をやるつもりだ?」



 こう言う時は聞くのが早いか。



「秘密だよ、と言いたい所だけどダイス君の協力が要るからヒントだけ。強いて言うなら今回の首魁は神って事なんだろう?それらしい演出の一つくらいあった方がいいだろう?」



「それで何をやれば良いんだ?俺は」



「勿論前回の神様の映像で避難喚起をして欲しい。場所は城及び、その城下町だね」



「それさ、滝の水じゃなくて海水で良いんじゃねぇか?」



「何事も後を見据えないとね」



 このショタは悪魔だな本当に。

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