第213話怒涛の日々


 とにかくあれから怒涛のような忙しさだった。まずはギルドだ。



 報酬に渡されたのは主に利権。次に大量の金貨。そしてこの甲冑だ。どうやら俺にはとっくにいないはずの創設者の子孫を演じて欲しいようだ。



 都合が良いときだけ使わせて頂くとしよう。次にギルド支部の設置の報酬だが。成功時はイチとしてある程度のギルドでの権限を貰えるそうだ。いらんと言ったが、あくまでも権限だけで運営に関わる必要も責務も無いとの事なので渋々承諾する事にした。



 そして次は巨壁の国。話し自体はすぐに終ったが。どうしても宴に参加して欲しいと、参加したら気付けばパレードのど真ん中だ。国民はどうしても一目みたい。そんな嘆願が後を絶たない。どうにかして欲しい。宴は口実でこっちが本音だろう。




 ルイへの報告だが。向こうも色々あったようだ。ルイは今元教国の復興。主に浄土回復を行っている。周辺国の共同統治ともあって。資材も人材も潤沢だから問題こそ無い物の忙しくて眼が回りそうだという。



 一定数手付かずの場所を残してるらしい。用途はあの宗教が保有する土地への打撃であろう。こっちが権力者に渡りが付いたと知らせると、少し驚いたように「意外だね」とだけ言った。




 出来れば関わりたくなかったよ。



 それからは商材の仕入れ。妖精達と墓守の食料の買い付け。それからガウへの見舞い。馬鹿娘とも遭遇したが喋る事も無く、見舞いの品を渡し、少し話すと、早々に退散した。



 それからクリートの見舞い、最後にミル達の所に食事に行き様子見するとようやく、楽園への食料配達及び妖精の実及び蜂蜜の回収。ここまでで4日間。流石にしんどい。



 それでも急ぐのには訳がある。例の宗教、名はキト教。その関係者らしき物の船がこの大陸に新たに近づいた事にある。




 上陸はしてない。何故ならルイが沈めたからだ。その話を聞いた時は「別に急がなくて良いよ」等と言っていたが。今回は難破したでも良いだろう。しかし、2度3度となれば話は別だ。大船団が来てもおかしくは無い。



 当然ながら異界人のがいる可能性も否定できない。厄介な能力や強力な者、被害は確実にでるだろう。そうなる前に向こうでそれど頃では無い状況にしたい。可能なら壊滅が理想だ。



 時間は多くは無い。嫌だが積極的にあの伯爵に関わる必要もあるだろう。今から憂鬱だ。




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