第192話精霊を買う
欲望に満ちた顔がちらほら見える。精霊に使い道等あるのだろうか?まぁいいさ。あれらに買わせる気がなくなったのは確かだ。
「それでは始めましょう。金貨500枚からの開始となります」
金ならいくらでもある。こう言う時に使わず何時使う?
「金貨2000枚」俺は声を上げる。一斉に視線が俺に集まるが知った事か。お貴族様方、資金の準備は十分でしょうか?両替すればまだまだ金はある。酒を売っても良い。
レイウスが驚いた目で見ているが、後でどう誤魔化せば良いのやら。
「ぐぐぐ、良いだろう2050枚だ」油ギッシュなこれまたテンプレ貴族様の入札だ。
「2500枚」この大陸の金貨はこれで全部だ。俺を睨みながら貴族は席に着く。
「他にはありませんね?」見渡しない事を確認すると「では精霊は金貨2500枚で落札となります」
「これにてオークションは終了になりますが、料理もお酒もまだまだあります。ごゆるりとおくつろぎ下さい」
結構でかい出費ではあるが、どうにでもなる。俺をそれなりの商人と見たのだろうか、商人や貴族が集まってきた。
「気持ちの良い入札見ていて痛快だったよ。所で君は商人なんだろ?」最初に話しかけた奴は若い商人風の男だった。
「ああ、そうだ。今ので懐はスッカラカンだけどね」そう行って笑う。
「そりゃそうだ。精霊と言えど使い道等無いからね。あるとすればあの貴族様みたいに愛玩目的の奴くらいさ。君はそういう趣味なのかい?」
「まさか、俺はこう、もっと」ジェスチャーでボンキュッボンみたいな動きをする。我ながらはしたないが、これだけは事実なのでどうしようもない。勘違いされて子供とか売りつけられても困る。
精霊は中性的な童子の姿をしているから金貨を2500枚も積んだ俺をそう見るのは仕方ないのだが。
「ではどのような目的で?」
まぁ当然そうなるはな。
「商人である俺がそれを教えるとでも?でも気になって眠れないと言われても困るから俺は魔術師でもあるとだけ言っておくよ」
それはそうですねと、商人は引いた。少し苦しいが、仕方ない。
完全に取り囲まれた。ここに来ている人間はそれなりの名がある人物ばかりなのだろう。無名の俺がでしゃばったから気になって仕方ないといった所かな?
人だかりが割れて行く。救急車が通る時車が端に寄せるように。伯爵様がこちらに来たのだ
分かってはいたが俺の前に来て「落札おめでとう。僕は君と是非話しがしてみたくてね。レイウス君の計らいで別室を貸して貰った。少しばかり僕の話し相手になって貰って良いかな?」
「ええ、俺でよければ喜んで」断れない、この状況では無理だろ。しかもレイウスにまで手回ししてやがる。厄介なタイプだなこりゃ。
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