第181話名が広まれば厄介事も多くなる物です

 向こうの大陸に行きたいがまだ商材が足らない。足がかりはあるからそこは救いだろう。今はただ酒作りと通常業務に従事している。



 この街で変わった事がいくつか起きた、正しくはこことクレイドルでだが。まず冒険者の数が倍以上に増えた。後、放浪気味の総長が居ついたと言う点だろうか。



 総長の言葉に甘え新しく出来た屋敷の一部屋を借り受けている。拠点と繋がる符を貼るだけでつかってはいないに等しいが。お陰でおれの拠点は他に知れてはいない。




 巨壁の国? あったなそんな国。投げっぱなしで良いんじゃね?念話符もスルーですよ。このままじゃ英雄とかなんとかで国に取り込まれそうな雰囲気だし。芋類を見つけたら自給率向上の為に出向く必要があるが、渡して逃げ帰ればいいだろう。そうだよな?そうに決まってる。



 現実逃避はともかく、俺はあの国に対して力を貸しすぎた。ドラゴン以上の敬意は不要だ。あくまでドラゴンの手助けをしただけなのだから。 商人としても十二分にもうけは出ているしな。



 他国の動きだが。前妖精の森であった日ノ本侍風男がギルドに俺の事を紹介しろと来ているらしい。妖精の実と関連性辺りからの確認だろうが、会わないに越した事はない。



 同様に俺との面会を求めてきている者がいた。転生したからって英雄の名前を語る痛い奴だ。当然会う気は無い。碌な事になるはずはないのだから。



 極めつけはあの女領主まで面会に来ている始末。どうやらあの領主、前王時代に国外に金と部下だけ持たせ外に放り出したらしい。余計な事をしやがって。更に面倒な事にこの街に住み着いている点であろう。



 早く準備を終え、新天地へと向かいたい物だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る