スコロマンスの魔女
木下森人
epigraph
サンチョ・パンサの言葉を借りるならば、何ごとにも始まりが無くてはならず、その始まりは、そこに先立つものと結び付いていなくてはならない。ヒンドゥー教では一頭の象がこの世界を支えているが、その象は一匹の亀の上に立っている。創作とは無からではなく混沌から生まれるものなのだと、謙虚になって認めざるを得ないのだ。まず最初に素材が無くてはならない。影に包まれ形の見えぬそうした素材に形を与えてゆくのであって、素材そのものを生み出すことができるわけではないのだ。
――メアリ・シェリー
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