今日からここを青春同好会とします!

高月麻澄

4/23 プロローグ

 ――遠くでサイレンが聞こえる。

 頭に靄がかかっていて、自分が自分じゃないような感覚。

 降り注ぐ冷たい雨に打たれたままの身体は動かなくて。息をする度に痛くて。

 でも、どうしても一つだけ確認したくて。

 どうにかなってしまいそうな痛みに耐えて、首だけをどうにか起こして。

 そして、自分の脚を見――



「――――ッ!」

 身体が跳び上がるほどの震えと共に、おか 大樹だいきは目を覚ました。跳び上がった時に机にぶつけたのか、膝が少し痛い。

 かなり盛大な音を出してしまったらしく、教室中の人間が何事かと大樹の方を見ていたが、音を出した犯人が誰だかわかると、その大半がそそくさと視線を逸らした。

 全身、嫌な汗でびっしょりだった。またあの夢か、と大樹は学ランの袖で額の汗を拭いつつ、夢の残滓を頭から追い出そうとする。

 机で腕を枕にして突っ伏していた顔を上げると、教室ではホームルームが行われていた。教壇にはややくたびれた雰囲気が特徴的な、大樹にはもはや見慣れた教師である担任、筒路つつじ 和人かずと四十歳独身の姿があって、その隣には紺色のブレザーに同色のプリーツスカートという、学校指定の制服に身を包んだ女子が立っていた。その制服はやけに真新しい。黒板には丁寧な、それでいて可愛い字で『野々崎ののさき 美空みそら』と書かれてあった。どうやら転校生の自己紹介らしい。そういえばそんな話を聞いたような気がする、と大樹はぼんやり思う。朝来た時に、窓際最後尾だったはずの自分の席の後ろに一つ机が増えていたのは、転校生の物だったのか。

 新学年・新学期が始まってまだ二週間ほど。そんなタイミングでの転校なんて珍しいな、と思いつつ、大樹は転校生を眺める。一言で言えば美人、だった。パッチリとした大きな目が印象的で、人受けが良さそうな美貌。肩に届くくらいの栗色の髪は艶々と輝いていてそれもまた目を惹く。さらにそれでスタイルも良いとなれば、クラス中、特に男子が浮足立つ空気になっているのもわからないでもない。

 大樹がそうして無遠慮に眺めていると、転校生と目が合った。その瞬間、それまで軽やかに動いて自己紹介をしていた口が止まり、にこやかだった表情が一転、驚きに満ちた表情へと変わっていく。大きな目はさらに大きく見開かれていて、


「――見つけた」


 視線を大樹へと張り付かせたままの転校生が、ぽつり、呟いた。そしてその目に、大樹がいる席からでもわかるほどに、大粒の涙が浮かび始めた。

 転校生の突然の変化に、教室がざわつき出す。様子を怪訝に思った筒路がどうした? と声を掛けるが、転校生はそれを無視して教壇を降りた。そのまま大樹の方へとまっすぐに向かってきて、その目の前で足を止める。

 教室内に疑問符が渦巻く中、


「会いたかったっ……!」

「なっ――」


 ――抱きつかれた。

 直後、女子の黄色い声が教室を舞った。

 座っているまま抱きつかれたせいで、顔が転校生の胸に埋もれる形になった。突然の行為に気恥ずかしくなった大樹はどうにか逃れようともがくが、逃すまいと転校生の抱きつく力は強くなるばかりだった。息が苦しいことこの上ないが、柔らかいし温かいし何だか良い香りもするし今さらどうなってもいいか、と大樹は色々と諦めて力を抜き、大人しくされるがままになる。

「ちょ、ちょっと! アンタいきなり何してんの!?」

 どこか焦った様子の聞き慣れた声が大樹の耳に届いて、ようやく抱擁が解かれた。少し名残惜しく感じつつも、ようやく満足に吸えるようになった酸素を胸いっぱいに吸い込む。

 教室内の空気は異様だった。女子の大半は野次馬根性丸出しな顔をして身を乗り出しているし、男子の大半はなんでこいつがという恨めしい視線を大樹へと送っている。抱擁をブレイクさせた女子は転校生を睨んでいるし、転校生は転校生で涙を浮かべたまま大樹を見つめている。

 その空気の中心人物になってしまった大樹が、送られてくる多様な視線に居心地の悪さを感じていると、

「――はいはい、感動の再会はあとで存分にやってくれて構わんからさ、とりあえずホームルームさせてくれ。ほれ、さかきも野々崎も席に着け」

 筒路が手を叩いて注目を集めて二人にそう促した。教室内の異様な、沸き立った空気が醒めていく。

 筒路に言われて、渋々と二人は着席する。やはり突如できていた後ろの席が転校生の席だったようで、大樹は背中にむず痒いものを感じる。大樹の隣の席である割って入ってきた女子――さかき 茉莉まつりは未だにその視線を転校生へと向けていた。

 その刺すような視線が怖くて、こっちに矛先を向けられないように大樹が顔を窓の外へと背けていると、学ランのポケットの中のスマホが震えた。取り出して見るとメッセージアプリの通知で、

『あの子一体誰なの?』

 と、茉莉からのメッセージだった。思わず隣の茉莉を見ると、転校生を睨みつつも机の下でスマホを手にしている。

『知らない』

 無視すると後が怖いので、メッセージを送り返す。しかし、簡潔に返したのが気に食わなかったのか、茉莉は怒りを表現するような猫のスタンプを送り返してきただけで、それ以上何も送らずにスマホをしまった。

 どのみち後が怖そうだ、と大樹は机にうつ伏せて現実逃避することにした。

 学校が始まってからというもの、ずっと眠い。眠ればまたあの夢を見てしまうかもしれないが、起きているよりはましだった。

 ホームルームの連絡事項も授業も、別にどうでもよかった。



 ①フタを半分まで剥がして、かやく、粉末スープ、液体スープの小袋を取り出す。

 ②かやくと粉末スープを入れ、容器の内側の線まで熱湯を注ぐ。

 ③三分後、フタの上で温めた液体スープを入れて、よくかきまぜてできあがり。

 ――液体スープをフタの上で温める系のカップラーメンは、フタを押さえられていいよな。

 なんて、水筒に入れて家から持ってきたお湯を注いで三分待ちつつ、大樹はぼーっとした様子でそんなことを思っていた。

 疲れた。

 ホームルームであんなことをしでかした転校生は、休み時間になると早速クラスの女子たちに囲まれていた。大樹はといえば、話したこともない、普段自分を腫物のように扱うクラスメイトから直接訊ねられることはなかったものの、転校生を囲む女子からにやついた表情でちらちら見られたり、男子から敵意を存分に含んだ視線を送られたりと、普段とは違う空気やら扱いやらで精神的に疲れてしまった。もっといつもみたいにほっといてくれよ、と大樹は思う。茉莉は茉莉でなんかずっと不機嫌だし。

 そして迎えた昼休み。大樹はいつもの場所――教室棟の屋上に出るドア、その手前のスペースへと逃げ込んだ。そこは、屋上が原則立ち入り禁止のためか、物置代わりに階段や踊り場に様々な学校備品がこれでもかと置かれていて埃っぽい上に、それらが窓をほとんど隠してしまっていて、昼間でも薄暗い。そのおかげで、まず誰も寄り付かない、一人になるには最適の場所だった。新学期になってからというもの、昼休みだけでなく、授業のサボりにもよく使っている、お気に入りスポットだ。

 その空間に、かぐわしいカップラーメンの匂いが漂っている。屋上へのドアにもたれかかっている大樹は、そろそろ三分だろうと体感で測って、フタを完全に剥がして温まった液体スープを入れる。不格好に割れた割りばしでかき混ぜて、いざ――


「うっわー、学校でカップラーメン食べてる人って初めて見たや」


 ――食べようとしたら、階段を上がってきた人物が開口一番、そうのたまった。

 隣失礼するねー、とその人物――転校生は真新しい制服が汚れるのも厭わず、大樹の隣に腰を下ろす。備品のせいであまり広くはない空間だ。必然、その距離は近くなった。肩と肩が触れてしまいそうなほどに。カップラーメンの匂いに混ざって、いい香りが隣から漂ってきて、大樹は少しだけ身を固くする。

「それ、お湯はどうしてるの?」

「っ、お湯は家から水筒で――って、なんで隣に座ってんの」

「私もここでお昼食べようと思って」

 そう言う転校生の膝の上には星柄のかわいらしい包みがある。それを開けながら、

「クラスの人たちに誘われたんだけど、休み時間の度に大勢に囲まれてたから疲れちゃって。昼休みくらい一人になりたかったからさ、どこか一人になれるところないかなーって探してたらここ見つけたんだ。先客がいたけどね」

 現れたお弁当箱は、それでほんとに足りるのだろうかと心配になってしまうほど控えめなサイズだった。野菜がメインのそのお弁当は彩りも鮮やかで、傍目に見てもおいしそうだ。

 いただきます、と手を合わせて小さく唱えた転校生は、

「――っていうのは嘘なんだけど」

 とあっけらかんと言い放って、お弁当を食べ始める。

「は?」

 呆気にとられる大樹を気にすることなく、転校生はもぐもぐと口を動かしごっくん、

「本当は跡をつけてたんだよ、君のこと。話したくて」

 食べる手を止めて、転校生は大樹の目をじっと見つめながら言った。真剣な表情の美人に見つめられて、大樹は思わず目を逸らしてしまう。

「俺は別に話したくないんだけど」

 目を逸らしながらも大樹ははっきりと言った。ほっといてくれよ、と言い捨てて、それ以上の会話を拒絶するかのように、カップラーメンをすすり始める。

 会いたかったと言ったホームルームの時の様子からして、この転校生はどうやら昔の自分のことを知っているらしい。そんな相手とは話したくない。昔の自分はもういないのだ。話して昔とは違いすぎる現状を知られるのも嫌だったし、昔の自分のことを語られるのも嫌だった。

 さっさと食べてどこか違うところに行こう――そう思って、大樹は麺を啜りスープを飲み、食べるペースを上げ――

「……見事に腐ってるねー……留年したから?」

 ――その直球の一言で、盛大にむせた。戻してしまいそうになり慌てて口を閉じると、行き場を失ったスープが口の端や鼻の穴から飛び出した。

 カップを床に置いて、気管に入ってしまったスープを出そうと咳き込んでいると、転校生がティッシュを差し出してくれた。しかし、それを受け取らずに手の甲で口周りを拭って、大樹は転校生を睨む。なぜそれを知っているのか。

 転校生はその視線を受けても怯むことなく、落ち着いた様子の静かな声で、


「それとも……走れなくなったから?」


 ――こいつ……!

 その一言で大樹は確信した。この転校生は自分に何があったのかを知っている。

 ――交通事故。怪我。入院。リハビリ。走れない身体。留年。

 転校生の言葉をきっかけにして、自分の身に起きたこれまでのことが一瞬で頭をよぎって、大樹は息が詰まる。睨んでいるはずの目、その視界がぼやけ始める。

 涙がれるほど泣いて、自分の中ではもう過ぎたことだと思っているはずだった。こそこそと噂話をされるのも、後ろ指さされるのも、腫物のような扱いをされるのも、もう慣れた。けれど、こうして正面からまっすぐに事実を突き付けられるのは初めてだった。自分がもう今までのようには走れないこと。それを無理矢理再確認させられて、あっけなく動揺してしまう自分がいた。そのせいで、普段は蓋をして見ないようにしているはずの気持ちを思い出してしまう。


 ――もっと、走りたかった。


 走ることは自分の全てだった。それがあの日、突然失われた。全く走れなくなったわけじゃない。でも、陸上選手として走ることはもうできない。一等賞を取ることはもうできなくなってしまった。

 大樹の目から涙が零れて頬を伝いそうになったその時、ぼやけた視界が紺色で埋め尽くされた。

「……ごめんね」

 頭上から優しげな声が降ってくる。膝立ちになった転校生に、胸へ頭を抱え込まれるようにして、大樹は抱き寄せられていた。頭を優しい手付きで撫でられる。弱ったところを唐突に優しくされて、その優しさに思わず大樹はすがってしまう。目から次々と涙があふれては紺色を濃くしていく。

 こうして人前で泣くのも初めてだった。走れなくなったことが悔しくて、悲しくて、辛くて、虚しくて、一人ではたくさん泣いた。けれど、親や幼馴染や知り合いの前ではそんな弱いところを見せないようにしてきた。見せたところでどうしようもないと思っていた。変に心配をかけたくなかったし、同情もされたくなかった。

 けれど、今こうして人の胸で泣いてしまって、大樹は一人で泣いていた時よりも気持ちが楽なことに気が付いた。別に何か特別な言葉を掛けられたわけでもない。ただ抱き寄せられて頭を撫でられているだけ。ただそれだけなのに、いつもなら底なし沼に陥るかのように沈んでいく気分が、少しだけすっきりとしている。そんなことは初めてだった。

 その感覚に戸惑いながらも、大樹はそのまま転校生の胸で、涙を流し続けた。


 ――一体どれだけ泣いたのか。

 ようやく涙が止まって、気分が落ち着いてくる。そうなると、抱き寄せられていることや、女子の胸で泣いていたことへの気恥ずかしさが今さらながら沸き上がってきた。大樹が転校生の両肩を掴んでやんわりと距離を取ろうとすると、ホームルームの時とは違い、転校生はあっさりとその身を離した。照れや恥ずかしさが入り混じった大樹は、その姿を直視できない。誤魔化すように、腫れた感覚があるまぶたを擦る。

「……落ち着いた?」

「おかげさまで……」

 と言ってから、大樹はふと思った。元はと言えば、この転校生の言ったことが原因で泣いてしまったのだから、おかげさまはおかしいような。気持ちが穏やかになっているのは、確かに転校生のおかげかもしれないが。

「ごめんね……無神経なこと言っちゃって」

 緑色のリノリウムの床に、膝立ちからぺたんと女の子座りに移行した転校生は、改まって頭を下げた。

「君がどれだけ立ち直っているか、それを知りたかったの。でも、そうだよね、まだ辛いよね……。私、いっつもこうなんだよね……。転校ばっかで人付き合いをまともにしてこなかったから、自分のことばっかりで、人の気持ちを考えずに喋っちゃうことがあって……」

 ほんとにごめんなさい、と呟いて落ち込む様子を見せる転校生に、大樹は辛いことを突き付けられたことを怒るに怒れない。もっとも、そんな気持ちはもう涙と一緒に渇いてしまっていたが。

 それよりも、と大樹の心の中に疑問が沸く。それよりも、この転校生はどうして自分が走れないことを知っているのだろうか。大学から推薦をもらえる程度には名の知れた選手だったから、事故は陸上界隈ではそこそこニュースになっていた。それで知ったのだろうか。しかし留年したことまではさすがにニュースにはなっていないはずだ。知り合いという線はない。こんな美人と面識はない。それに、自分が立ち直っているかどうかなんて、そんなことを知ってどうするというのか。

 考えてもわからなくて、大樹は直接訊こうと口を開く。

「なぁ、お前って――」

「――美空。お前じゃなくて、野々崎 美空。私の名前」

 きっぱりと。転校生――美空が、疑問を投げかけようとしていた大樹の言葉を遮って言った。その力強い口調に、大樹は口を止めてしまう。そんな大樹を、美空はその大きな瞳で、何かを探るように、何かを期待しているかのように、たっぷり十秒ほど見つめて、

「……やっぱり覚えてないよね」

 そして、落胆した様子で目を伏せた。。記憶の限りでは面識がないはずなのにそう言うということは、やはり出会ったことがあるのだろうか。しかしいくら思い返してみても、その名前に聞き覚えはないし、この容姿にも見覚えはないのだった。

 考え込んだ大樹が黙ってしまい、二人の間に沈黙が訪れる。やや気まずい空気が流れる。その空気を切り替えようとして、美空はわざと明るい声を出して言う。

「と、とりあえずお昼食べよっか!」

「……だな」

 美空のその言葉で、昼食が再開される。大樹はすっかり冷めてのびてしまったカップラーメンを啜り、美空はお弁当をつつく。

 会話もなく黙々とお互いに箸を進め、ほぼ同時に食べ終えた。ごちそうさまでした、と美空はまたも手を合わせて小さく唱える。大樹はゴミをがさがさとコンビニ袋へと突っ込みその口を縛った。

 そのタイミングを見計らったかのように、昼休み終了五分前の予鈴が鳴った。

「え、もう昼休み終わりなんだ」

 美空が驚いたように言う。無理もない、と大樹は思う。通っている伊乃高校は進学校であり、一日に七限授業をするために、昼休みが削られ二十五分しかない。他の高校の昼休みを聞くとこの二倍あったりして、大樹はそれを羨ましく思っていた。

「知らずに転校してきたの? この学校、進学校で勉強ばっかだし、わざわざ選ばなくてよかったのに」

 っていうか授業時間くらい把握しときなよ、と驚く美空に軽く言って、大樹は立ち上がる。泣いて目が腫れているのでこのままサボってしまいたいが、次の授業は担任筒路の授業だ。出席しないととやかく言われるかもしれない。めんどくさいな、と大樹は思いつつ、重い腰を上げて階段を下りて行こうとする。

「この学校じゃないとダメだったんだよ。だって――」

 先に階段を下り始めた大樹の背中に声が投げ掛けられる。振り向くと、未だ動かず上から見下ろす形になった美空は告げる。


「――私は君を救うために転校してきたんだから」

「は?」


 さすがにそれは冗談だと思った大樹だったが、美空の表情は至って真面目で、冗談を言っているようには見えない。

 ――俺を救うために? 転校?

 頭の中が疑問符で埋め尽くされる大樹に美空は、

「私ね、君に救ってもらったことがあるの」

 君はもう覚えていないみたいだけどね、と大切な思い出を語るかのようにそう言う美空から、未だ疑問符に埋もれた大樹は視線を逸らすことができない。

 そして、そう言えることがまるで幸せであるかのように、思わず見惚れてしまうほどの笑顔を大樹に向けて。

 だからね、と美空は言う。


「だから、今度は私が君を救ってあげる!」

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