第8話異世界の朝焼け

そんなこんなで一喜一憂していると空が紫色になった。


はっきり言って壮観の一言に尽きた。

「星空でわかってはいたけどこれほどまでとは、思ってなかったな・・・」


伊藤がそう思うのも無理はない、日が昇り始め辺りは明るくなり、今まで星明かりでしか見えていなかった世界が鮮明に目の前に広がっていたからだ。


まず目に入るのは空、夜明けを迎え日の光を浴び紫色になる幻想的な空、次にどこまでも広がるかのような平原に、ところどころ朽ち果てたローマなど西洋的な事を想像させる大きな建物の残骸のようなもの、平原からこちらを群れになり見るうさぎにツノが生えたような小動物・・・そして少し離れた位置にプスプスと音と肉が焦げたような臭いを放つ全長10メートルはあろうかというでかいトカゲに羽根の生えた生き物・・・ドラゴン⁈

思わず三度見してしまう・・・


「もしかしなくてもこいつヤっちゃってレベル上がった感じ?なんつー運の良さ・・・」


しばらく焼けたトカゲを見ていたが、自分がおかれた状況に気づいた伊藤は、とりあえず近くの西洋風の建物を調べてみる事にした。

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