色文

 色を知って


 熱に浮かされ


 戯言を語っては


 恋慕の海を揺蕩う


 溶けた脳を吸われまして


 今日もひとつ


 角砂糖を吐いたのです


 早熟過ぎた貴方は柵を捨て


 恋枯れの私は背伸びする


 誤差とも言える年月が


 貴方に疑いを向けようと


 貴方の歴史を愛しましょう


 貴方の全てに恋しましょう


 愛しい想いが手から溢れて


 数多の言葉を授受し切れない


 もう少しだけ背伸びをさせて


 あと少しだけ強く居させて


 貴方の隣に恥じぬ女に


 恥じらいも


 切なさも


 全てが愛おしく思えるのです


 崖を転がり落ちるよう


 貴方に堕ちた私が居て


 抜け出せなくなったことに


 ふわりと安堵を覚えるのです


 有難うと伝えたくて


 素直になれない私を優しくしないで


 その優しさが私を引っ掻き回すのです


 慣れぬ甘さに戸惑いながら


 歩んで行こうと願いましょう


 馬鹿も道化もいいけれど


 時には頭を冷やしまして


 こんな言葉を紡いでみる


 想いは伝わったでしょうか


 私は素直になれたでしょうか


 ただひたすらに願うのは


 貴方の熱に触れること


 溶かした責任を取って頂戴


 貴方の熱に酔わせて頂戴


 貴方の全てを抱きしめたいのです

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