空虚
カラン、コロン、カラン。
何か無機質な物が虚空に落ちる音がした。
カラン、カラン、コロン。
白妙の部屋に薄灰の石ころ。
嗚呼わたしは空っぽだ。
石灰の様な白い虚空に落ちるは自身の醜い情か、それとも世間の穢れか。
常識という柵に囚われた周囲は見るに堪えない。
いや、わたしが誰にも見られていないだけか。
カラン、コロン、コロン。
石ころが積もってゆく。
コロン、カラン、コロン。
塵も積もればなんとやら。
コロン、カラン、カラン。
今日も蒼空が哭いている。
カツン。
わたしの頭に石ころが当たる。
鈍い熱さの後痛み、それも直ぐに消える。
ゴツン。
今度はしっかりとした悪意を持ってぶつけられた。
今は卑小で下世話な井戸端会議との戯れに現を抜かす様な貴女の世話は厄介である。
それくらいなら死んだ方がマシよ。
カラン、コロン、カラン。
つぅ、と伝う紅い熱。
カラン、コロン、カラン。
白妙が唐紅に染まりし時、わたしの自我は死ぬのでしょう。
カラン、コロン、カラン。
コロン、コロン、カラン。
カラン、カラン、カラン。
カラン、コロン、コロン。
空っぽな心に積もる石ころ。
酷く無機質だ。
カラン、コロン、カラン。
カラン、コロン、カラン。
カラン、コロン、カラン――。
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