仮面ライダーピース

春野ミチ

第1話 僕がヒーロー

仮面ライダー ピース



1章 僕がヒーロー


僕の名前は「本条 基晴」 大学1年生

僕には大好きなものがあるそれは「ヒーロー」だ小さいころからたくさんのヒーローに憧れ続け

いつか絶対にヒーローになろうと夢見ていた。

だが現実はテレビのように上手くいかない。

僕の思い描いていたヒーローには 遠い

今の僕は学校生活を送りながら地道にボランティアに参加し少しでも誰かの役に立とうと活動している。

名もなきヒーロー... なのかな...

でもこの地道な行動もいつか実を結んで いつか絶対にヒーローになる!

そんなことを考えていたその時、僕の体はひっくり返っていた

「朝から、校門の前で邪魔なんだよオタク野郎!」


「...ごめん」

僕にわざとぶつかっておいて偉そうに罵倒していったあいつは

サッカー部部長でイケメンでその上成績までいいという絵にかいたような理想の男こと「杉野 真琴」

その点、僕はヒーローに憧れるだけのただのオタク...


上体を起こしながらそんなことを考えていた時、僕の頭に落ちてきた。

「い、痛い」

「なんだろう、これ、箱?」

落ちてきたものを拾った時、学園の1限目の開始を告げる鐘が鳴った。

今日はほんとついてないなあ...



講義もいつものように終わり僕は次の講義までに昼ごはんをとろうとしていた。


その時、大学内の緊急アラームが一斉になりだした。

人の悲鳴が聞こえ始めた。「何か事故でも起きたのかな」


普段なら興味がないと片付けてしまい足を運ばないはずなのだが、なぜか悲鳴の聞こえる方角に走っていた。


僕の目に映ったものは恐ろしいものだった。

一つ目で禍々しさを放つ角を2本携え口が裂けているかのようにでかい怪物がいた。

「なんだあれ、それにあのデカい剣」

みると剣を振るたびに剣先から波のようなものが出て周囲の者がどんどん溶けていた。


みなが怪物から逃げようと走り回る中一人だけ怪物に向かって挑もうとする男の姿だった


それは僕の天敵でもある杉野だった。

杉野は鉄パイプを振りかざし怪物にむかっていた。

だが怪物はそれを物ともせずに剣を振りかざした。

その瞬間、杉野は遠くの木に飛ばされ強烈な衝撃音とともに意識を失いかけていた。

だがそれでも立ち上がろうとしていた。

「バカ!、逃げろよ杉野!」


思わず声に出てしまっていた。怪獣が僕の声に気が付いたのかこちらへ向かってくる。

「うわぁ。来るな。」

なにがバカだよ。バカは僕のほうだろヒーローになるとか言っておきながら、結局見るしかできなかったくせに

なにがヒーローだ! このままじゃ何も変わらない、変われてないじゃないか


「変わりたいの?変わりたいなら動けばいい、それが出来ないなら貴方は死ぬだけ。」

謎の声が背後からした。するといつの間にか僕のすぐ後ろに女の子が立っていた。

その美貌から一瞬固まってしまった。「なんでこんなところにいるの?逃げなきゃ!」


「あなたはなぜ逃げないの?ヒーローになりたいんじゃないの?」

僕はその時この女の子に腹の中を抉られるような感覚がした。

「ぼ.僕は...変わっ」


その時、怪物の一閃により僕の前にあった木は溶け、衝撃とともに僕と彼女は吹き飛んでいた。

「変わらないの?」

彼女の言葉が何度も僕の胸に響いた。

その瞬間、僕の体は怪物目がけて走り出していた。


突然のことで何が起きたのか分からなかっただが僕の足は止まらなかった怪物の一閃を受けながらも僕は進んだ

「変わりたい!変わるんだ!今日、俺は!」


叫んだ僕は心の底から叫んだ。

そして僕の突き出した拳は怪物の頬にヒットした。

その時、杉野の振るう鉄パイプでさえ反応のなかった怪物が揺らめき後ずさった。

「なんで,,,」


僕のカバンから当然光を放ちながら今朝、拾った箱が僕の目の前も漂っていた。

「Emotion! Perfect!」

と謎の音が鳴り黒く錆びていた箱が割れ中から出てきたのは

「パズル? なんだこれ宝石が入ったパズルのピース?」

厚みがある板に宝石の埋め込まれたピースが出てきた。


「変われたね。」

彼女の声が聞こえたとき僕の腰に重量感のあるものが巻き付いた。

「これってベルト!あのヒーローたちが巻いてたベルト!」


「貴様がなぜそれを!」

立ち上がった怪物は驚きながら僕のほうを指さし、睨んでいた。

「貴様が持っいるはずがない!そんなもの我の力で粉々にしてやる!」

そう言いながら怪物は再び僕の方へ先ほどとは明らかに違う怒りの感情を露わに向かってきた。


「やばい、このベルトの穴にはめ込むのかな?」

「たぶんそういうことだよね、おおおおおおおおおお」

わけがわからず僕はベルトに差し込んだ。

「あれ?何も起きない?」


怪物は目の前まで来てる。

「押してベルトの端を」彼女が叫んだ。

「押す?端を!」

確かにベルトの端には手のような形があった。

「変身!」

憧れたヒーローたちが言っていたように僕はベルトの端を押し込み叫んだ。


「Perfect! Exciting! change on!」

とベルトから音が鳴った。

謎の音とともに正面にピンク色の壁のようなものが現れ僕の体を包んだ。



肩にはパズルのピース、腰にはマント、そして2本の角に赤く光る複眼

その姿はまるでテレビに映る。僕のあこがれ続けたヒーローの姿だった。



1章 完

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仮面ライダーピース 春野ミチ @Uzuki0308

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