その6
コヤナギ邸と呼ばれるそこで『国際体育連盟主催祝賀パーティ』とやらが催される理由は、そのコヤナギとかいう主人が、このあたりの体育系のお偉いさんだかららしい。
祝賀パーティということで、普段のメイドさんやらフットマン(執事の下で働く人だと考えればよい)じゃ足りないから、臨時で使用人を増やした中に、ボクもいるわけである。
さて、件のターゲットを捜してみようとは思うんだけど、当たり前なことにインターハイも体育の範疇に入るというわけで、高校生も列席してる。その中には当たり前だけど、戸沢高校の生徒もいるので、うまくばれないようにしなくちゃいけない。というより、他の連中が『お客さん』として来ているなかに、一人『従業員』としている感じが、なんか恥ずかしいなあというのもある。ともあれ、まずはターゲットを捜さねば。
「まあ、外交官の方ってそんな仕事もなさってますのね。まるで、電撃フリントのようですわ」
「ははは、そうご婦人から褒められると、嬉しいものですな」
……、ああ、どう考えてもこいつだな。ていうか、あまりにあからさま過ぎて、ワナだと一瞬思ってしまうくらいに『私がターゲットですよ~』と、全身でアピールしてる感じの男がいるのが、信じられない。それがホントにワナだと良いなと思うくらいだよ、本気で。
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