第5話 街娘ユウコと街の衛兵さん

『それじゃ~元気でね~~そこはかとなく見守ってるわよ~』


女神様との別れの挨拶をして、街の近くの森の中へと転移させて貰った。


さあ、いよいよこの世界サンサーラでの俺、いや私の人生がスタートだ。

えいえいおー!と謎のテンションで独り片手を挙げる。


そこそこの人口のカカロッティの近くにある森の中に転移した俺は、

周囲を見渡しながら考える。


とりあえずの目的地(街)へは、この森からすぐ近くだ。

そこそこ生活費もある。


自分の外見を勿論チェック。

客観的に見ても「そこそこ愛嬌のある顔、胸はあまり無く全体的にスレンダー。」

うん、非常にバランスの取れた俺の理想的なスタイル。


言葉などは、自動でこの世界(相手)にマッチする女神様の加護あり。

女神様、貴女はとても素晴らしい。


とりあえずこのホムンクルスライムはお腹は空かないし、生理現象も無い。焦って街へ向かう必要もない?


改めて自分をチェック。


この世界での主流な、街娘ファッションの服も身に着ている。

人間が生きる為に必要な「衣食住」の内の住む家以外はまず問題ない。


今は【ルフラトス】と同じ春の季節。

まだ日も高く夜まではたっぷり時間がある。


この森の中に住むつもりはないし、街で住む部屋などを探しに行くのがベストか?


とりあえずの軍資金はあるけど、早めに自分で稼げるようにもなりたい。


そう考えつつ、街へと歩きながら「ヘルプ」を使い調べ始める。

音声つきのガイドを受けながら、この街への入場と

1ヶ月の滞在費は合わせて銀貨1枚だと理解した。


街の出入り口には衛兵さんがいて、簡単な検問をしているのが見えてきた。

軽く鼻歌を歌いながら、のんびり列に並び、そして自分の番になった。


「近くの村から、お仕事が無くなってしまって出稼ぎに来ました。街の近くまでは乗り合いの馬車で来たんですが、馬車酔いで気分が悪くなったので・・・少し手前で降ろして頂いたんです。それから少し休んだら気分も落ち着いたので、歩いて来ました。ここには1ヶ月くらい滞在しながら、出来れば手に職つけたいなーって考えてます!」と明るく元気な笑顔で衛兵さんに伝えた所『オウ、そうか頑張れよ!』と即審査パスOKだった。


衛兵さんチョロすぎませんか(笑)

とか考えていると、頭の中から不思議な音が……。


テレッテッテッテー♪


○スキル:口八丁Lv1 が発現しました


『ヘルプ』音声が聞こえてきたのだ。


※ヘルプさんの音声イメージは「棒○みちゃん」です。


ちょっとびっくりしたぁ。

こんな風に成長アナウンスもされるのね。なるほど(笑)


後は特に問題もなく、入場料などを払い引き換えに滞在許可証プレートを受け取った。


これがあれば、1ヶ月間この街への出入りも含め、

滞在中はこのプレートを見せれば審査Okとなる。

勿論犯罪行為をしたら当然捕まり罰を受ける。


衛兵さんからは、オススメの宿屋の場所(食事処)も抜かりなく聞いてある。


宿屋についたら、部屋を借りてすぐ冒険者ギルドにも行こうかな。

手に職をつけると言っても、『街娘』として仕事を探すつもりは無い。


俺はこれから、このカカロッティで生活していく。



リザルト


テレッテッテッテー♪


○スキル:口八丁Lv1が発現しました 

△銀貨1枚を支払い、街の滞在許可証(1ヶ月のプレート)を入手しました。

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