人でないもの

勝利だギューちゃん

第1話

星が流れた。

流れ星に願い事を言うと願い叶うと言う。

でも、星が流れると言うことは、その星が死んだと言う事。

そう、聞いた事がある。


死にゆくものの、何を願えと言うのだ。


しかし、人と言うのは、何かにすがりたくなる。

そうすることにより、気が休まるのだろう。


でも、そうそう幸運は舞い込んでこない。

それが、大人になるにつれて、分かるようになる。


僕はそれが、不幸だと思わない。


「ねえ、君はなにを願う」

「僕?」

「うん、もしも神様がひとつだけ願いを叶えてくれると言うのなら」

「さあ、わからない」

「願い事を増やすというのは、ルール違反だからなしね」

少女に問われる。


迷った挙句、僕はひとつの結論を出した。


「決まったよ、僕の願い」

「何?」

「それは・・・」

「私と付き合いたいもなしよ」

「それは、絶対にない」

「即答だね。お姉ちゃん、寂しい」

年上だったのか・・・この少女は・・・


ということは、僕は15歳だから、18歳くらいか・・・

まあ、年齢はどうでもいい。


「で、君の願いはなんなの?」

「言っても叶えてくれないでしょ?」

「ううん、可能なら叶えてあげる」

「わかった」

普通の女の子なら、叶える願いは限られている。

なので、それを口にはしない。


「僕の願い、それは・・・」

「それは?」


【人類を滅ぼしてほしい】


冗談ではなかった。

でも、この願いは1少女には無理だ。


だが、少女からは、

「OK」

そう返事があった。


その少女は何者かはわからない。

でも、約束は果たしてくれた。

翌日、人類は滅亡した。

正確には、消滅した。


でも、僕はここにいる。

なぜなら、僕は人間ではないからだ。


世間は僕を、人として見てくれていなかった。

人であって、人でない存在。

それがここにきて、難を逃れる事ができた。


今は、人間様とやらにに感謝している。


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人でないもの 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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