カップルゲーム
@-koukou-
プロローグ
男女がある部屋で座り込んでいる。その部屋は、真っ白でスピーカーが一つ取り付けられていた。照明は見当たらないが、部屋は明るく、壁はよく磨かれているのか汚れ一つない。男女は疲れ切ったような顔をしていて、息が荒い。やがて、スピーカーから声が聞こえてきた。
「どうします?次のゲームも挑戦しますか?それとも…棄権、しますか?」
スピーカーから聞こえてきた質問に男は即答する。
「き、棄権するに決まっている!こんなゲーム、もうやめだ」
「棄権すればどうなるか、覚えてますね」
男は頷いた。
「そちらの女性はどうですか」
今まで黙っていた女が顔を上げ、口をひらく。
「私はどちらでもいいわ。彼が言い出したんだし、私には関係ないから」
「分かりました。では棄権を許可します」
スピーカーからそう聞こえた。その数秒後、男の目の前で座っていた女が大きな音とともに消えた。えっ?と男が素っ頓狂な声を出す。
「な、なんで彼女が?おい!なんでだよ!答えろ!おい!」
男が叫ぶ。声は部屋中にうるさいほど響いている。
「ゲームオーバー!残念、ゲームクリアならず」
スピーカーから聞こえてくる明るい声と、男のすすり泣く声だけが、部屋に響いて、やがて消えた。
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