第326話 43歩という悪手
先日のNHK杯将棋トーナメントの決勝で、
羽生善治さんが、43歩打つ、という、
変な手を指しました。
これが相手の郷田真隆さんの思考を狂わせたのですが、
面白かったのは感想戦になって、
その場面を対局者二人があっさりスルーしそうになり、
即座に聞き手の藤田綾さんが、
43同銀からの変化を教えてください、
と、感想戦を軌道修正しました。
どうやら羽生さんは同銀なら、
後で手に入る桂馬を使って、
金銀両取りをかける、という目論見だったらしい。
しかし素人目にも、この43歩は、
味が悪い。
悪手なんでしょうけど、郷田さんは取らなかったがために、
その歩を拠点に攻め潰されました。
このシーンは何となく、
羽海野チカさんの漫画「3月のライオン」の、
宗谷対島田戦の、
信用しすぎた、
っていう場面を思い出しました。
将棋ファンの方は漫画を、
漫画ファンの方はこの対局を、
ぜひ、チェックして欲しいです。
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