第50話 攻めて無重力

「 攻めて無重力 」


あなたの荷重は計り知れなませんから

一点に集中させてしまうなんて

それじゃまるで画鋲ですね

頭のうえからちからいっぱい押してですね

足元の一点で壁を突き刺すなら

それはそれでいいですけれど

何を留めるんですかね

あなたの歴史ですか

エゴですか

無重力がうらやましい

こんなこといちいち心配しなくていいんです

 から

方向もなく

執着も分散して

切り替えなんてめんどくさいこともない

自由でどこから押してもちゃんと動く

慣性がこんな身近にあるなんて

美しいじゃないですか

さてと一点ですね

わかりましたアーチにしましょう

一点でなくアーチにすれば分散して美しくな

 る

ローマ時代からそうでしたから

アーチが連続するのに夕日があたってもうそ

 れは壮大な叙事詩ですよ

ありがたいですね

あなたがそうする余裕がこれからずっと見れ

 るなんて

無重力に比べたらぐっと採算もあうはずです

 よ

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