第37話 懐に抱かれる(Mt.Fuji)

「 懐に抱かれる(Mt.Fuji) 」


そうは言っても両手なんかでは測れない

少なくとも左目でその左端の方

右目でその右端の方を見るのが恐らくは精一

 杯で

右手の向こうに隠れている

更にその裏側がある

左手の手前は樹木が邪魔をしてよく見えない

そんなものの中腹に

落ちないようにして立っている

鉛直方向のちからも凄いと思ったけれど

色々な方向から流れてくる水平方向のちから

 も凄かった

でも

立っていることは許されたのでしょう?

ここまで来たことを認めてくれた

何千という人がやがてやって来ると聴いてい

 ます、計画ですが

1人1人と数えると、なんてもうできない

位も底上げしたあげく小数点以下は丸めてし

 まえれば、丸めてもいいですから

丸めてももいいですから

それは無くなってしまうこと?

それでもいいと

それだけでも、立っていること、それはそれ

 で立派に懐に抱かれている

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