第14話 柄杓(evolution)

「 柄杓(evolution) 」


柄杓を大きくしたような

冷たい石づくりの土台のうえに

わずかに湧きいづる水を求めて

それはまだ陽が昇るまえの

鳥類のさえずりが聞こえる

それは裸の人類にとっても必要な

あの熱い太陽光線を背に耐えるため

浴びる以前

両手で水を汲み

鳥類がくちばしで水をついばむ

哺乳類は舌をまるめ喉に流し

地球が日に一度冷えて再生することを知って

 いるから

誰に話しかけることなく

さえずりはただオノレのためだけに

360度足音は同胞のため



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