第11話 脱出する(moon)

「 脱出する(moon) 」


シンプルな方程式を

何処までも伸ばしていくと

透明な梯子は所々継ぎ足しが必要で

けれど

曲がっているねえ

曲がっていないと地球から脱出できないからねえ

どのくらい曲がっているかなんて

自分じゃ分からないけれど

梯子を上っていくと

白い月に着けるか

燃え尽きた月

青い空にとどまっている


月では

ロボットが動いている

雲なんてないから

水もないから

岩と

砂で

そればかりだから

遮るものも無い空間で

造りだしたエネルギーで

動いている梯子に乗せて地球に贈る

ロボットは方程式で動いている

人類なんて要るのだろうか?

人類は方程式を造った

ロボットは動いている

必要なのはロボットに必要なエネルギー


地球は総てよみがえった!

人類の英知は自らの生存ではなかったようで

自分たちが造った方程式で

ロボットに英知を渡してあげたことかも知れない

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