死にたくっても腹はへる

プロローグ

　誰もいない暗闇に塞がれた部屋で、深夜11時、彼はテレビの前で、他人を犠牲にした罪悪感と運命を呪う苛立ちに悶え苦しんだ。

　もうこれで4度目だ。消極的とはいえ自分が人殺しの片棒を担いでいることにひとしきり苦悩したのち、「神が悪い」「世の中が悪い」「運命が悪い」と曖昧な対象に理不尽な責任転嫁を行い、自分にはどうにもできない現実から逃れるように眠りについた。

深夜12時。僕らのせいで人が死ぬ。