第8話 Fランク冒険者の日常⑧

 私はスライム印の箱をエリエールさんへ二箱プレゼントした。


「いつもありがとうございます。とても大人気なんですよ。発売されてもすぐ売り切れてしまって入手することも困難なのに、いつも大量に寄付してくれてギルド職員みんな、感謝しているんですよ」


 そう言って優しく微笑む。フローラルな香りがして、少し幸せな気持ちになる。最初に言っておくが、決して変態ではない。


「いえいえ、いつもお世話になっているのでこれくらいはさせて下さい」


 こういう小さな事から少しずつポイントを稼いで、いつかは二人っきりでっと想像を膨らませていると、いつものように彼女がやってきた。


「良い心がけね」


 エリエールさんと話をしているとネピアがだいたいやってくる。きっと、あまり人がいないから、暇でしょうがないから遊びに来ているのだろう。待機も仕事のうちだろと決して言わない。


「ネピアの分も入ってるから、仲良く使ってくれ」

「くれるっていうなら使ってあげなくもないけど」


 素直にありがとうと言えないネピアとエリエールさんの三人で何気ない話をしていつもの日常を楽しんだ。

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