第6話 Fランク冒険者の日常⑥
商業ギルド限定のトレーディングカードは、商人、商業ギルド職員、商業ギルド長と商売に関わる人達をトレーディングカード化している。
商売をする人は商業ギルドに登録する必要があるので、商業ギルドへ登録する際に冒険者ギルドと同様に特殊な魔道具を使用して映像を取りトレーディングカードとして発行している。
冒険者ギルドに登録している人が、商業ギルドにも登録した場合は、冒険者ギルドバージョンと、商業ギルドバージョンのトレーディングカードが発行され、かなりカオスな状況を作り出しているが、その闇は闇のままにしているギルドである。
商業ギルドにやってきた私はスライムの素材を受付のテーブルに出して声を掛けた。
「スライムの核と液、スライム二十体分、売りに来ました」
「はい、ありがとうございます。確認しますので少々お待ち下さい」
受付のギルド職員はスライムの素材を持って別の部屋へ入っていった。おそらく別室で専門の職員が鑑定をしているのだろう。
「スライム二十体分の確認とれましたので、報酬は銀貨4枚になります」
スライムの核と液は良質のものに限り、スライム5体で銀貨1枚分となる。知る人ぞ知るお手軽なお金の稼ぎ方だ。
ただし良質な素材に限りで、スライムから良質な素材を取る事は難しい。スライムは討伐するもので、ほとんどの冒険者は素材を取る事を考えない。
また、良質な素材以外のスライムの核と液はどれだけあっても廃棄となってしまいお金にはならない。
「カード引きますか?」
「はい、お願いします」
私は並ばれたカードの中から一枚カードを選んだ。
「☆2の鉄板焼きのマリー」
「おめでとうございます」
「誰ですか?」
「知りません(笑)」
この微妙な空気間だけはいつまでも慣れない。
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