第2章 スライム討伐とスライム印

第4話 Fランク冒険者の日常④

「昨日はご飯に誘っていただき、ありがとうございます」


 エリエールさんは満面の笑みで微笑む。その微笑みを見れただけで私は幸せだ。


「今日はスライム討伐の日なんですね。今日もすごい討伐数でスライム討伐、五百十三体ですね。スライム一体が一ポイントのため、五百十三ポイントとなります」

「カードを引いていきますか?」

「はい、お願いします。☆1の斧戦士ガボス・・・誰これ?」

「誰でしょう(笑)」


 お互い苦笑するしかなかった。


 冒険者ギルド限定のトレーディングカードの発行によって、冒険者ギルドは少しずつ活気を取り戻していた。年々減っていく冒険者の数と同じく、小さな町では冒険者ギルドが潰れていき、町周辺のモンスター討伐ができなくなり、被害が出るという悪循環に落ちていた。


 そこにストップを掛けたのが、冒険者ギルド限定のトレーディングカードである。冒険者登録をする際に特殊な魔道具を使用して映像を撮り、トレーディングカードとして発行し、討伐依頼達成時に一枚だけカードを引くことができる仕組みを考案したのだった。冒険者だけではなく、ギルド職員、ギルド長といった冒険者ギルドに関わる人達がカード化されている。


 カード欲しさに冒険者になる人が増え、冒険者ギルドに活気が戻ってきた反面で、新人の冒険者が死亡してしまうことが増えてしまい、新たな問題に頭を抱えているが、それはFランク冒険者の日常とは別の話である。

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