第43話 ナナコの姿
「あの薫は本物だな。じゃあ妖かしは…どうした? 銀翔」
オロチがこんな表情で切なげに苦しそうな銀翔を見るのは久しぶりでした。
銀翔が降らすこの雨は浄化の雨。
妖かしがいればその正体を現します。
「もう雨は止めたらどうだ?」
そうオロチが言っても銀翔は雨を降らすのを止めませんでした。
「松姫」
「なに言ってやがる? ナナコは松姫じゃない。似てたって……あっ」
銀翔とオロチの前に松姫の姿がありました。
ナナコの姿に重なっています。
「松姫。どうしてそなたが?」
銀翔は泣いていました。
久しぶりに会う恋人の姿に銀翔はただ泣いていました。
「こいつはいったい。どういうことだ」
オロチも呆然として松姫の姿になったナナコを見つめていました。
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