AOM――アポクリファ・オブ・マーズ――
2626
第1話 イントロダクション
数千年以上も、昔の事になってしまった。
何もかもが突然だった。
母星・地球との定期通信がいきなり遮断され、驚く間もなく衛星・月との交信も遮断された。急ぎ対応が協議され、宇宙船で地球や月の様子を見に行った調査員達は、絶望的な結果を目の当たりにして戻ってくる。
地球の大気圏の外部に謎の『障壁』が展開されて地球へのほぼ全ての物質の通過を阻み、月の方は接近しようとしたら対隕石防衛機構『セレナ』が攻撃してきたのだ。
調査員達はこの『壁』を『ガイアの嘆きの壁』と名づけ、月の方は『セレナ』をも統括する人工知能型統治システム『ツクヨミ』が暴走したのだと結論づけて帰還した。ほぼ月と同様の人工知能型統治システム『ウルスラグナ』を使用していた火星政府は『ウルスラグナ』の使用を危険と判断し、これを封印、代替人工知能型統治システムの構築まで、数百年ぶりの人間による政治と統治が復活した。
だが結局、人間による統治はそれから数千年の間、一度も途絶えず継続する。
代替人工知能型統治システムの構築に失敗したのではない。
統治システムでは対応不能のある災害が、孤立したこの星――『
人類史上最悪と呼ばれたこの災害を、人々はこう呼んだ。
『
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます