もういいよ異世界……三度目の異世界転生物語

にゃんこ。

プロローグ

 ―ああ、油断した―。


 そんなことを考えながら、彼は自分の軽率な行いを改めて後悔した。

 しかし、彼もそんな最悪の結果に繋がるなんて、思ってもいなかったのだ。


 まさか、ゴブリンなんて言う、雑魚モンスターごときに自分が殺されることになるなんて。


 ゴブリンと言ったら、ファンタジー異世界の舞台では、駆け出しの冒険者でも倒せる雑魚モンスターとして有名だ。彼も、そのように思っていた。

 だから、冒険者になりたての彼は記念すべき最初の獲物として、まずは簡単な『ゴブリン』のクエストを受けた。


 クエストをこなす際は、他の冒険者とパーティを組んで挑むのが基本。だが、彼はパーティを組むことなく、一人でクエストに挑んだのだ。

 所詮ゴブリン、されどゴブリン。それなら自分一人でも倒せると、そう思って。


 しかし、それが間違いだった


 一人でゴブリンのいる洞窟へと足を踏み入れた彼。しばらく歩くと、さっそくゴブリンを見つけた。なんとその数、五十体。


 ……そう、彼は知らなかったのだ。ゴブリンが集団で行動するということを。

 

 まさか、そんなにいるとは思ってなかった彼は、ゴブリンのその圧倒的な数を見た瞬間、すぐさま逃げ出した。

 が、すぐに追いつかれ、そのまま武器も何もかもすべて奪われ……そして抵抗する暇もなく喰い殺された。


 油断大敵とはまさにこのこと。敵を雑魚と侮ったがゆえに、この『死』という最悪な結果に結びついてしまった。自業自得としか言いようがない。

 だが、彼は自身のその軽率な行為を後悔はすれど、自身の死について全く恐怖という感情など抱いていなかった。


 どうせ、また生き返るのだから。 




 


 


 

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