第331話 イチャイチャな2人
【 1日目 AM 10:23 自室 残り18人 】
食事を摂り終えた俺は自室へと戻って来る。部屋のドアを開けて先ず飛び込んで来たのは、
「タロチャン!!」
みくだ。俺がドアを開けるなり飛びかかって来た。あのさ、みくってボディタッチ激しいよね。美波も結構ボディタッチあるけど、みくは激しすぎだって。俺みたいな童貞は女の子にボディタッチされるとヤバいわけだよ。好きになっちゃうわけだよ。美波、楓さん、牡丹という三巨頭は過ごした時間も長いから当然俺の好き好き度数はMAXだけど、みくは時間が短いから3人には本来なら劣る。だがこうやってボディタッチされるとさぁ…同じになっちゃうよね?三巨頭から四天王になるよね?容姿のレベルは同じで、みんな性格良ければ当然だよね?困るよなぁ…この中から1人を選ぶんだぞ?無理じゃね?だって正直みんな好きなんだけど。みんな嫁にしたいんだけど。でもそれはダメだよなぁ…
…いやいや、何を言ってんだ慎太郎。無いって。俺がこの4人…いや、アリスも含めれば5人か。その5人の誰かを嫁にする事は無いよ。
美波はやっぱさ、俺への恩義で好きになっちゃったのがきっかけなんだから、俺の嫌な所見たら気持ちが離れてくし。
楓さんは、俺がヒモ化し始まったら色々と上手くいかなくなって気持ちが離れてくだろうし。
みくだって美波と同じようなもんだろ。恩義で好きになってるだけでオッさんの現実を知れば気持ちは離れる。
アリスは、成長する過程で普通に好きな人が出来てくよ。お父さんとして俺を見てるだけだし。
牡丹は………あれ?なんだろう。俺から離れていきそうな未来を想像出来なくなってるぞ。牡丹は絶対俺から離れないような気がする。うーん…あれ?もしかして牡丹を嫁にすれば全部が上手くいくんじゃないだろうか?
ーーそう、慎太郎もそれに気付き始めた。どう想像しても牡丹は慎太郎から離れるわけがない。実際は5人とも慎太郎に心からLOVEなので気持ちが変わる事などありえない。だが他の4名は慎太郎の想像の中だとなんだかんだで穴があるが、牡丹には死角が無い。現実でも想像でも牡丹は慎太郎LOVE100パーセントなのだ。
うーむ…今はこの件は棚上げしとくか。今はイベントを切り抜ける事が先決だしな。つーか、
「ええい!!みく!!離れろ!!」
みくを引き剝がさないとムラムラしてくるからヤバイ。
「イヤや。離れとうない。」
「離れとうない、じゃねーよ。あのな、俺みたいな童貞はさ、みくみたいに可愛い子にボディタッチされるとヤバイわけよ?変な気分になっちゃうわけよ?」
「ウチ、可愛い?」
「うん、めちゃくちゃ可愛い。」
「えへへ〜!タロチャンに褒められると幸せ。」
ーーイチャイチャしてんじゃねーよ。
「だから離れてくれ。」
「イヤ。」
「話聞いてた!?」
「ウチの事可愛い言うてくれた。」
「他の話はシャットアウトなの!?」
「だからー、ムラムラしてるならすればえーやん。スッキリしちゃえば煩悩消えるやろ?ウチはタロチャン大好きやからしたいもん。」
「……。」
ーーおい。迷ってんじゃねーよ。小娘に誘惑されて悩んでんじゃねーよ。
「ダメダメ!!俺を誘惑すんな!!ほら!!離れる!!」
「むー!」
みくが頬を膨らませて不満そうな顔をする。俺自身の気持ちを強く持たないとホント、ヤバイな。
「頭撫でてあげるからそれで我慢してくれ。」
ーーそう言いながら慎太郎はみくの頭を撫でる。みくは若干不満そうな顔を浮かべるが、なんだかんだで差し引きプラスだと思って納得した。
「早速動き始めたな。」
ーー慎太郎の言葉にみくも真面目な顔になる。
「せやね。組んで来るのは予想してたけど随分と早く動いたよね。」
「ああ。”だからこそ馬鹿”なんだろ。ま、俺たちとしては好都合だ。これで残り3組を俺が暴けば勝ち確定。勝利まで大きく前進だ。」
「”どんな事があってもウチの今日の負けは絶対無い”わけだしね。」
「だな。さっきの”姉ちゃんとオッさん”には感謝だ。」
「そんで、どう?何かわかった?」
「んー…ま、そうだな。怪しいのが2組程かな?ほぼほぼアタリだとは思うけど。
「おー!流石はタロチャンやん!」
「昼はナシらしいから、夕飯の時にチェックして確信持てたら密告してもいい?」
「ええよ?ウチはタロチャン信じとるし。」
「おう、ありがと。」
「両方とも密告するん?」
「いや、片方だけかな。もう1組はコマにする。ってか”女の子”を葬るのはちょっとできない。ごめん。」
「あははっ!えーって。それがタロチャンの良いトコやし。」
ーーテメーらいい加減にしろ。
イチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャしやがってよ。
「夕飯までは今日は大人しく部屋で待機としよう。誰かに動いてるの見られたく無いしな。結構時間あるから退屈だけど。」
「そんじゃタロチャン!」
みくがベッドへ移動し、横になると、俺を見ながらポンポンと布団を叩く。
「時間までウチと楽しいコトしよ!」
「はいはいはいはい!部屋にビデオあるからそれ見っか。」
「むー!!タロチャン嫌い!!」
ーーそして舞台は1日目、夕食時を迎える。
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