　ねぇ、誰か助けてよ。

　何度この言葉を反芻してきただろうか。この叫びは誰の心にも届かない。

　朝を起きると、必ず憂鬱な気分に襲われる。いつだってそうだ。高揚した気分なんて久しく味わっていない。

　そして地獄は始まる。周りからの声がただただうるさい。話している内容こそ聞こえないが、こちらを向いてこそこそ話している様は、僕を嘲笑っていることは一目瞭然だ。

　何処に逃げても、聞こえてくる嘲笑の声。怖いって感情だけが僕を支配した。

「ねぇ、あの人かっこよくない？」

「話しかけなよ」

　今日も僕は、笑いものだ。

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