「幸」
今日は待ちに待った彼女との初デートだ。
告白した時を頭の中で反芻する。「貴方を一生守り続けます」なんてありがちなセリフで思いをぶつけたけれど、彼女は嬉しそうに首を縦に振ってくれた。「幸せ」と彼女は言っていたが、「君がいてくれることが、僕にとって最高な幸せだ」と返した。流石にカッコつけすぎたかな。
余韻に浸っていると、横断歩道を挟んで、彼女が見えてきた。
信号が青に切り替わると嬉々とした表情で僕の元に近づいてくる。信号は確かに切り替わったはずなのに、車は止まる気配がなく、彼女の元へ一直線に向かっていた。
僕は咄嗟に手を伸ばした。
「次のニュースです。本日10時頃、信号を無視した車が歩行者二人を突き飛ばしました。男は死亡。女は重傷を負いましたが、命に別状は無いようです。次のニュースです……」
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