第断章   『壊れた人形』

あの日から大切な人の調子がおかしい

もともと■■にはその傾向はあったけど


加速度的に――壊れているように見える

ただの一度で壊れてしまったのだろうか


いや――私が壊してしまったと言う方が正確か

なぜなら――命じたのは私なのだから


罪があるならば――それは全て私にある

罰があるならば――それは全て私にある


こんなに苦しませることになるのであれば

あんなことをさせなければよかったと

後悔すること――いや後悔はしてはいけないのだ


何故なら■■も私も前に進むことしか

許されていないのだから


少し――胸が痛む気がする

痛む――傷む――悼む――



否――



悼むことだけは許されない

それは死者に対する最大の侮辱だ

責任の放棄も同義だ



だけど悲しい



そう。大切な■■が壊れたから――

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