あなたがこの世からいなくなる事を　虫の知らせで聞いた時

私は　そんな悲しい事が起こる筈はないと　丸きり信じようとしませんでした

この世を水底から天上まで愛したあなたが　そこからいなくなるなど

私には不思議でなりませんでしたし　本当に信じがたい事だったのです

それでもあなたはこの世からいなくなる

理由は分からない　どこへ行くのかも分からない

けれども私は　あなたを理由に　同じ場所に行きたいと思いました

しかし　知らせを伝えに来た虫は去ったあとで　私にはどうしようもなかったのです

私はまだこの世にいるべきだという事なのでしょうか

理由も行き先も分かっていて　それを承知であなたはいなくなるのでしょう

それに引き換え　この世の水底から天上まで　あなたで満ちていた私は

あなたが帰って来たという風の便りを　来ないと承知の上で待つ事になるのです

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