【第7話】 職業(クラス)は、どうするか…?
オレは今、異世界アルファザード(惑星アルファザード)の空中神殿の中にいる。
目の前には、3人の女神たち(ファイナ、アイネ、ヒーリス)が、オレからもらった隕石製のペンダントを嬉しそうに眺めている。
さて…トラック事故の件はスキル【 現実改変 】で解決した。
巨大隕石の件も(実験的に色々なスキルを試しながら)最終的にはスキル【 念動力(サイコキネシス) 】で隕石を真っ二つにして解決した。
…さて、次に考えるべきは…オレが異世界アルファザードで魔王討伐の冒険に出てる間、地球上でのオレの生活(学校生活や自宅での家族との生活)をどうするかだ。
案1) オレに化けることのできる者に、オレの代わりに生活してもらう。
例えば、ドッペルゲンガーとかに代理を頼むとか…?
で、その間の出来事は、後で地球に戻ってからスキル【 思念感知(サイコメトリー) 】で記憶を覗けばいい。
ただ…う~ん…他者にオレの地球での私生活を任せるというのは、一抹の不安が残る…。
( まぁ、最悪はスキル【 現実改変 】や【 時間逆行 】でやり直しは効くんだが…。 )
案2) オレがアルファザードで魔王討伐の冒険に出ている間、地球の時間を止めておく。
オレの都合で(オレが戻るまでの間)地球の時間を止めちゃうってのは若干気が引けるが…
まぁ、さっき巨大隕石を真っ二つにして地球を救ったのもオレなんだし、まぁ、1~2か月くらい止めておいてもバチは当たらんだろう…
それに、少し気になることもある…。
…というわけで、
「 スキル【 時間停止 】! 地球の太陽系および地球から観測可能な全ての天体の時間を停止する! 」
スキルを発動させて地球の太陽系(および地球から観測可能な全ての天体)の時間を停止した。
ここで、ファイナが疑問を呈した。
「 あれっ…? 創造主様はこれから冒険に出るから、その間、地球の時間を止めとくってのはわかるんスけど…なんで、地球以外の天体の時間まで止める必要があるんスか…?? 」
やれやれ…仕方がない、説明するとするか。
「 例えばだ…地球の…オレが住んでる日本が夜で月が真上に上ってる時に、地球の時間だけを止めたとする。 その場合、月などの他の天体は普通に動いてるわけだ。 で、冒険が終わって戻って来て地球の時間停止を解除した場合、場合によっては月が日本の真上から消えてる可能性もあるわけだ。 そうなると、一般人の目からは『月がいきなり消えた』ように見えて、『謎の超常現象』となって大騒ぎになるだろう。 」
「 あぁ~…そういうことっス… 」
ファイナは納得して頷いている。
「 月だけじゃない。 天文学者や天体観測が趣味の人間からすれば、『金星の位置が急に変わった』だの『木星の位置がおかしい』だの『〇〇座の位置がズレた』だの、地球から観測可能な天体の位置の異常に気付く者も多数出てくる。 例えば、さっき核ミサイルで隕石破壊を試みてたNASAあたりとかな。 だから、地球だけでなく、太陽系や地球から観測可能な全ての天体の時間を止めておくわけだ。 」
「 なるほど… 」
ヒーリスも頷きがら聞いている。
「 それと…少し気になることもある 」
オレがそう言うと、3人は口をそろえて、
「「「 気になること(っスか)…? 」」」
と聞き返してきた。
「 あぁ…。 この無限とも言えるくらい だだっ広い宇宙には無数の星々があるわけだが、地球や ここアルファザードみたいに人間型生物が生息している惑星は 本当に ほんの一握りだ。 そんな ほんの一握りしかない存在しない惑星に、その惑星上の生物を死滅させるサイズの隕石が激突する可能性なんて、確率的には ほぼ0%と言ってもいい。 」
「 ほぼ0%なのに、実際には地球に隕石が落下しかけた…つまり、偶然ではない…ということでしょうか…? 」
さすが、ヒーリスは理解が早い。
「 まぁ…偶然かもしれないし偶然ではないかもしれない。 …『偶然ではない』と考えた場合、もしかしたら、何者かが糸を引いている可能性があり、そいつが再度 地球への巨大隕石落下を試みる可能性もある。 だから、その予防の意味も兼ねて、太陽系の時間を停止したんだ。 もし、オレが ここ(アルファザード)で冒険に興じている最中に、再度 地球に向けて巨大隕石が落下してきたとしても、太陽系内に さしかかった瞬間に その巨大隕石は時間が止まるからな 」
「 何者か…? 」(ボソッ…)
「 何者か…って…そんな惑星破壊規模の巨大隕石を操作できるって、相当なヤツっスよね… 」
「 何者かが…ですか? …もしかしたら、お心あたりでも…? 」
「 いや…別に心あたりがあるとか いうわけじゃない。 まぁ、念の為だよ 」
「 はぁ~…それにしても、そこまで考えてるとはスゴイっスね~… 」
「 そこまでお考えとは…さすがです! 」
ファイナとヒーリスは感心しきりという感じだ。
「 さす… 」(ボソッ…)
アイネはというと、『 さす… 』で止まってしまった。
おそらくは『 さすが 』ということなんだろうけど…
いくらダウナー系&めんどくさがり&無口とはいえ、『 さすが 』くらいは言おうぜ…とも思ったが、まぁ、アイネらしいっちゃあアイネらしいから、いっか。
まぁ、これで、当面の問題は一応クリアだ。
これで、やっとアルファザードの地に降りて、魔王討伐のオレTUEEな異世界チート無双な冒険に出発できるわけだ!
「 さて…冒険に行くとなると、職業(クラス)や装備を考えないといけないな… 」
と、オレが呟くと…
「 ここはやっぱり『 魔法使い 』がいいんじゃないっスか? 」
「 魔王を倒す勇者は魔法剣士が王道… 」(ボソッ…)
「 私は…神官などの回復役(ヒーラー)職がいいと思うのですが… 」
ファイナもアイネもヒーリスも、みんな自分の職業(クラス)を勧めてくる。
(^_^;)
ちなみに、ここ異世界アルファザードでは、
冒険者とか武器屋とか防具屋とか靴屋とか農民とか料理人とか…そういったものは一括り(ひとくくり)で言うと『 仕事(ワーク) 』と言い、
剣士とか魔法使いとか神官とか弓使い(アーチャー)とか盗賊(シーフ)とか…そういったものは一括り(ひとくくり)で言うと『 職業(クラス) 』と言っている。
ちなみに、(ちょっと奇妙ではあるが、)ファイナ達の『 女神 』という肩書は、『 職業(クラス) 』というよりは『 仕事(ワーク) 』にあたる。
なので、例えば、ファイナの場合は、『 仕事(ワーク) 』は『 女神 』で、『 職業(クラス) 』は『 炎系の魔法使い(魔女) 』ということになる。
…で、女神たち3人はそれぞれ自分の『 職業(クラス) 』をオレに勧めてくるわけだが…
アイネが先ほど『 魔王を倒す勇者は魔法剣士が王道… 』と言っていたように、オレも自分が主人公を演じるんだったら王道(かどうかは分からないが…)の魔法剣士がいいかな…と思っていたので、魔法剣士でいくことにした。
( 異世界チート無双のオレTUEE系のラノベでは、もちろん魔法剣士以外にも様々な職業(クラス)の主人公がおり、オレは魔法剣士以外の主人公の物語も大好きだ。 ただ、あくまで自分自身が主人公として演じるんだったら、王道の魔法剣士で…という感じだ。 )
「 そうだな…魔法剣士でいこうと思う。 」
オレがそう告げると、アイネは小さくガッツポーズをとった。
逆にファイナとヒーリスはちょっとガッカリしている…が、もう決めたことだ。
服装や装備についてだが…色はやはり黒系統だろうな。
異世界チートの主人公は黒と相場が決まっているからな。(←もちろん、例外もあるが…。)
オレも黒はかっこいい色だと思うし、中二心がくすぐられる色だと思う。
あ…あと、暗がりでの戦闘では目立たなくて有利だし…。(←まぁ、これは、とって付けた理由だが…。)
武器は当然、(魔法剣士なんんだから)剣だ。
服は黒いコートを着て…少しアレンジも加えて…フード付きのコートにして、フードの縁や袖口や裾に白いファーをあしらってみるか。
インナーやパンツ(ズボン)や靴や手袋はグレー系統の色にしよう。
あと、腰には太めのごついベルトを巻いてみるか…。
だいたいイメージが固まったところで…
「 よしっ! スキル【 創造 】! 」
オレは思い描いた装備を現実化すべく、スキル【 創造 】を発動した!
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