ライブに行きたかったというはなし

 少し前に、ライブに行くのが怖いというはなしをした。結局は好奇心に負け、コンビニエンスストアへ行ってお金を振り込んでしまうのだけれども、というお話。


 実は、来月の半ばに催されるとあるライブに参加することを計画していた。参加の動機は、わたしが心の底から応援しているメンバー、いわゆる「推しメン」の出演決定の知らせが届いたことである。彼女はライブにあまり顔を出さないメンバーであり、この度新曲の発表の場を与えられたのだろうと解釈したので、いざ参らんと喜び勇んでホームページに飛んだ。


 するとどうしたことか、両日どの公演時間帯それぞれに絶対に外せない予定が入っているではないか。わたしは文字通り声を失い、サークルの練習を休んだ。声を失ったのだから仕方のないことだ。(わたしは合唱サークルに入っている)


 そういうわけで、ライブに行きたくなかった気持ちなどどこかへ飛んでいき、いまとなっては推しの雄姿を見届けることができないという空虚が心を支配しているのである。


 ほんとうに悔しい。何も考えずに予定を入れたあの日の自分を恨んでいる。

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