2章 第4話

アリサ達が作戦開始する数分前


ヒナガ達とミツルはバリケードが破られた場所に向かっていた。向かう途中で死者達と出くわすが、倒して行きながら進む。ヒナガは死者達の動きが全て把握出来た。そして、どこを斬れば動かなくなるかも。


「なんだろう、身体が勝手に動く、死者達の動きが判る」

「うん、ヒナガお姉ちゃん」


「訓練の成果が出ているんだろうよ、二人共、もうすぐバリケードに到着だ」


ヒナガとアスガは訓練で仮想の死者達と戦い、これまで以上に反応速度、剣術が上がったのだろうと、ミツルは思った。


そして、ミツル達はバリケードに到着する。銃弾が鳴り響き、人の声が聞こえた。


「おい、まだか車!?」

「エンジンかけているけど、動かないわ!?このままだと、わたし達……」


バリケードの前で死者達と戦っている、人達がいる。ミツルはM90ライフルのスコープから覗き、確認する。


「ヒナガ!アスガ!、死者達に襲われている人達がいる。助けるぞ!」

「「了解!!」」


ヒナガとアスガはバリケードにいる死者達を引きつけ、ミツルは襲われている人達を助けに行く。


「君達!?」

「俺はミツルと言います、怪我人はおりませんか」


ミツルは車の近くに来ると、知った顔がいた。バリケードを見張っていた仲間の一人が横になって眠っていた。


「わたしはカレン。この子は君達の仲間か、バリケードの近くで倒れていたのを見つけ保護した」


女性の後ろには二人の子供もいた。死者達に怯えていたのか、顔に涙の後が残っていた。


ミツルの後ろからヒナガ達の声が聞こえてきた。


「ミツル~!もう死者達を倒したよ」


ヒナガがミツルに死者を倒したことを伝える。しかし、敵が近くにいることを伝える電子音が鳴り止まない。


「ヒナガ、アスガ!まだ化物が残っている!?」

「「え!」」


二人が驚くと同時に後ろから獣の姿をした死者が襲う。


「!?」

「くぅ!?」


ヒナガとアスガは攻撃される前に炎と氷の壁を作り、死者の攻撃を防ぐが二人は吹き飛ばされ、建物の壁に激突する。


「ヒナガ!アスガ!くそがー!!」


ミツルはライフルを持ち、獣の死者に近づくと、銃弾の雨を喰らわせる。熊のような姿の死者はライフルの攻撃にほとんど受け付けてないようだった。


熊の死者を、ベアグールと名付けるミツル。


ミツルはライフルからハンドグレネードに切り替える。ボールのような形をした。爆弾だった。



ミツルはベアグールに投げ込み、ボールが当たると爆発する。


「よし!……な!?」


しかし、爆発の煙が晴れると、ベアグールは無傷だった。そしてベアグールはミツルの所にもうスピードで近づき腕をミツルの腹を殴る。


「ぐあ!?」


殴られ吹き飛ぶ、建物を突き破り倒れる。ミツルは一瞬気絶しかける、しかし、骨が何本か折れていた。


(くぅ!?、なんだあの化物は他の化物と違う。武器も効かない!!)


ミツルは拳を作る、ヒナガ達と一緒に特訓したと言うのに、簡単に吹き飛ばされ、倒された。


ヒナガ達の仇も討てない自分に怒るミツル、すると叫び声が聞こえる。さっきの人達だろうか、ミツルは建物から出ると、ベアグールはカレンさん達の所に近づく、しかし、男性の方は銃で応戦するが効いてはいなかった。


「させるか!」

「くぅ、この子達には指一本触れさせないは私も銃で応戦するは!!」


「!!!!?」


ミツルは今日夢で見た記憶を思い出す、自分が両親二人に守られ、自分は何も出来ず。両親二人が化物に襲われる光景を。



自分は助けることも出来ず。両親を見捨てたことを。


やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ!!



ミツルは絶望し涙を流す。また自分は助けることも出来ずに力のない自分は見てることしか出来ずにいる。無力な自分にヒナガ達を助けることも出来ず。


「ヒ……ナガ…達を……」


信じて下さい。これでもわたし達死者何ですから。


わたし達はこの街に住みたい。


二人には罰を受けてもらいます。


ミツルはヒナガ達と出会って、もう2ヶ月は経っていた。しかし、記憶では5年や7年といった様な感じがしていた。だけどミツルは思い出す、ヒナガ達と会った時、まだ会って数カ月だと言う事をそして。


「俺はまだ、ヒナガ達のこと何も知らねえ街の謎も解決してない!」


ミツルは立ち上がる、もう一度あのベアグールに挑むつもりだった。しかし武器も効かないとどうにもならなかった。


(……ミ……ツル…)

「なんだ、頭に直接声が!?」


ミツルは混乱する。頭の中で声がした。


(ミツル、聞こえるわたしアスガ、ミツル、聞こえる?)

(聞こえる!アスガ無事だったのか)

(ミツルも生きていてよかったそれより化物は?)


ミツルはベアグールを見るともうカレン達の所に近づくぎりぎりだった。


(アスガ頼みがある!お前の氷でベアグールを止めてくれ)

(いや!)

(はぁ!?)


ミツルは驚いてしまった。何故か嫌と言われる。


(もっと簡単にあの化物を倒す方法がある。ヒナガお姉ちゃんの力で___________倒せれる♪)

(その作戦乗った!)


ミツルはすぐ行動を開始した。ライフルを構え、ベアグールに標準を定めて撃つ。


「こっちだクマ野郎!こっちだ!」


ベアグールはミツルの所に振り向くと、カレン達から離れる。ミツルは最初の作戦が上手くいったことを喜ぶ。


(ライフルの銃弾10発とハンドグレネードが2つか…これで最後だ……後は任せるぞ!)


ベアグールは速くミツルの方に近づいて来た。それは余りにも恐ろしく、少しでもスピードを落とせばベアグールに喰い殺されるのは間違いないだろうとミツルは心臓が破裂するほどにバクバクと鳴る。


(そろそろここで作戦開始だ!)


ミツルはハンドグレネードを持ち建物に投げる、すると建物は爆発し建物がミツルとベアグールの方に倒れてくる。瓦礫に埋もれたベアグールだったが、瓦礫から飛びでてくる。


「はい!これどうぞ!」


アスガは身体に纏った氷をベアグールに当てると身体が凍りつく。動けなくなった。ベアグールは無理矢理。氷を壊そうとするが、壊れる気配はなかった。


「お姉ちゃん!」

「炎をプレゼントするわ!受け取って!」


ヒナガの身体に纏った炎がベアグールを包み込む、ベアグールは悲鳴をあげる。身体が徐々に焼かれていく。しかし氷が少しずつ溶けていく。ベアグールは氷が溶けた瞬間にヒナガ達を攻撃するだろう。そうはさせないように彼はベアグールに接近する。


「うおおおー!!!」


ヒナガ達の間からミツルが現れ、ベアグールの身体に、よじ登りライフルをベアグールの口の中に突っ込む。


「悪いがライフルにもヒナガの熱い炎が宿った弾を込めたからなぁ!ゆっくり味わってたべてくれ!!!」


ミツルはライフルの引き金を引く。残りの全弾をベアグールの口の中に撃ち込む。銃声が口の中で鳴り響く、ベアグールの腹はみるみると膨らむ、ミツルはすぐ離れると、そのままベアグールは爆発した。


ミツルは爆発の風圧で吹き飛ぶが、ヒナガとアスガ二人がミツルを受け止める。


「ミツル無茶しすぎ」

「よく瓦礫に踏み潰されなかったね」


ミツルは瓦礫が落ちてきた瞬間に最後の一個のハンドグレネードを瓦礫を吹き飛ばす為に使った。


だから無事だったと言おうとする前にヒナガ達を見つめる。美しく綺麗な二人は死者達と戦い、そして自分達も死者であると言っている。


だが、そんな二人に自分は守れていけるか判らなかった。だがそれでも二人を守るそして、街の謎を解きあかす。


そう誓う自分ミツルだった。


「これからもよろしくな二人共」

「「ミツルどうしたの一体頭でも打った?」」


二人は口を揃えて言うと、ミツルは笑った。その後から、アリサ達が爆発音が聞こえてきたので来ると、ミツルがボロボロになっていたのでアリサは少し泣きながらミツルを怒るアリサだった。

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