デット・テンペスト~銀色のミーティオ~フェノメノンの在処

オール

第1章

1章 第1話

熱い気温と寒い気温が全体に伝わってくる。今、この街にいるのは女子供だけだ6歳の子もいれば12歳や15歳の子までいる。もうじき成人となる者もいるがそこは関係ない。そんな人達は今、危機に追われていた。本来なら誰もが疑うだろう。しかし現在に実現している者がいる。それは、〈死者〉いわば亡霊とも言えるがゾンビとも言える。それが街に引き寄せて迫っていた。


皆は何故?どうして?誰もが思う。ここは安全な場所ではないのか。皆が言う。せっかく平和な暮らしが出来ると思ったがそれは叶わなかった。女子供達は悲鳴をあげる。パパやママと叫ぶ人がいれば親しい友人や恋人の名前を叫ぶ人がいる。しかし、そんな人はどこにもいない。なぜなら女子供だけでも守るために死者に挑み死んで逝ったからだ。もしかしたらどこかで生きているかも知れないと思うがそれを知る方々はない。なぜなら今、ここに住んでいる街の場所以外の外は死者が溢れかえっているからだ。


そんな危険な場所に行くとは誰もが思わないだろう。今、自分達が出来る事をやるだけで精一杯だった。食料はどうするか、トイレ、寝る場所、子供の面倒、街の見回り、念のための罠を張ったバリケード作ったりなどそう言った事をやっていた。バリケードに関しては子供が入らないように見張ってたり、逃げ延びた人が来た場合などが罠にはまってしまわない様に何人かはバリケードに配置して道を案内する役目などをやっている。


そんな中、バリケードに配置していた人の1人の少女がこちらに近づく2人に気づいた。どうやらまたしても逃げ延びた人が来たみたいだ。少女は2人に近づき話しかける。


「君たちもあの化物から逃げて来たんだろう」

「はい」

「そんな所です」


少女は2人の声を聞いて驚く。美しい、そんな風に思えた。しかし、気になる事もある。晴れた日なのに何故か2人はカッパを来ていて帽子は目元が隠れる程の物で顔が分からなかった。しかし、声が一緒だったので双子姉妹なのだろうとは思った。ただあまりにも声がそっくりすぎて混乱しそうでもあるがそこはいい、生き延びた人をこのままにしておくには行かない。少女はすぐさま2人を案内する。


「今このバリケードは様々な罠など張っているので危険だ。だから、私が今から安全な場所まで案内するよ。ついてきてくれ」


そして、少女は2人を注意をしながら安全に道案内をする。2人は黙ったまま少女についていく。そしてそこに到着すると2人は声を漏らす。


「女子供が一杯いる」

「すごい」

「はは、驚いたかい。そうさ、この街には逃げ延びた女子供だけがいる場所さ」


2人は疑問に思う、どうして女子供しかいないのか。男は?父や母などはいないのかと2人は少女に問いかける。


「男は化物と戦いに行って死んださ女子供だけを逃がすためにな。母も男だけでは心配で一緒についていき戦いそしてさっきと同じで死んだ。もしかしたら生きているかも知れないとも思っている」


2人は黙り混む。そっか、だからここには女子供が集まって暮らしているのか。だが、他にも気になる事があった。何故、少女達はここに来たんだろう。他にも安全な場所などがあったかも知れないのにどうしてこの場所を選んだのかが気になった。


「それは分からない。ただ逃げるに必死だった、そんな中たどり着いた街がここさ。ここなら安全、ここなら何も脅かす者もいなく平和に暮らせるなど私はそう思っている。他の皆も必死に逃げ延びて最終的に着いた場所がここだったのさ」


2人は納得する。ただやっぱり、気になる所もあるが。女子供はまるで何かに引寄せられる形でこの街に来ている。自分達も同じで化物から遠ざける為に適当に歩いていたら何故かここにたどり着いた。何故、そうなのかは分からないが今はおいとくとしよう。2人はこれからどうすれば良いか少女に聞いてみる。


「そうだね、2人は歳は幾つ?」

「13」

「同じく」


少女は驚く。自分は16歳に2人は13歳って身長は150センチの自分と同じぐらいあったので、てっきり同じ同年代と思っていた。少女はこの2人が本当に13歳か疑わしく思ってしまう。もしかして、嘘をついているかも知れないと思い聞いてみる。


「本当に13歳?嘘とかついていないよな」

「こんな身長だけど」

「嘘はついていない」


少女は一通り信じる事にする。例え嘘だからと言って2人をこの街から追い出す事なんかは絶対にしない。こうして新しい家族が出来たのは嬉しく思う。実の家族ではないのは知っているが例え血の繋がりが無くてもこの街に住むものは家族として受け入れる。だから少女は2人に言う。


「ようこそ私達女子供が住まう街へ、君たち2人を新たな家族として迎え入れる。私の名前はミツルと言う。普段はバリケードの所にいる。たまにこの街に見回りをする場合がある。その時に会うかも知れない、もし分からない事があれば遠慮無く声をかけてくれ」

「分かった」

「これから宜しく」


少女は2人をまず、これから住まう家に案内させる。そこでは他の人がいるのでスペースが狭くなるがそこは我慢するように伝える。2人は13歳なのでまだ出来ない事があるだろうと思い年上の人から様々な事を教えて貰ったりお手伝いや子供の面倒などを見て貰ったりと様々の事をさせて行く2人はいつの間にか人気者になっていた。


最初2人にはカッパを外すように指示をした。今日から家族として住まうのだから顔を知っておかなければいけない。2人は承知した上でカッパを外す。するとどうだろうか。ミツルに2人は双子姉妹と聞かされていたので皆もドキドキしていた。しかし、2人の素顔を見ると誰もが魅了された。2人の顔はあまりにも可憐でそして美しかった。身長は13歳とは思えないほどスッと伸びていて髪と目の瞳は同じ日本なので黒、それながら美しく透き通る様に輝いて見えていて肌も完璧にツルツルでそれを見た人達は目を奪われていった。


他にも言われた事を完璧にこなし普段他の人達には出来ないことをやっていた。それも様々の事をこなしてそうしている内に2人は人気者となる。特に子供達が2人に沢山よる程に。もちろん歳上の人達誰もが2人の子がどんな人なのか見たいと思い来るぐらい大人気だった。


2人は流石に大勢の人が押し寄せて見に来るので物凄く恥ずかしかったがペースを落とすこと無く自分達が出来る事をやった。こうして平和に過ごして1ヶ月が過ぎたその朝の日に東と北の方角でバリケードの場所に配置している2人の人が声を上げる。


~東~

「ちょっと、何よあれ。どうしてここに化物が来ているのよ!」

「まずいよ、こちらに段々近づいていている。皆に報告しないと!」


~北~

「ミツルさん!」

「ああ、これはまずい事になった。君はこの事を皆に報告してくれ、出来る限り早くだ」

「はい!」


東と北の化物は今までとは異なっていた。東は氷をまとい冷気を放ちこちらに近づくたびに周りが一瞬で凍りついていった。北は炎をまとい熱を放ちこちらに近づくたびに周りが一瞬で燃えさかっていった。罠の張ったバリケードなど化物には通用しなく次々とバリケードを突破していく化物達はもうすぐ街にたどりつこうとしていた。報告を受けた人々は出来るだけ中心に集まるようにした。だからと言って自分達が化物相手に何も出来るわけがない。ただ怯えて死を待つだけだと。


「ミツルさん私達はどうすれば良いですか!」

「死にたくないよ!」

「せめて子供達だけでも守ってください!」


皆は叫んでいた。この中でもリーダーをつとめているミツルは悩んでいた。今の自分に何が出来ると。今、攻めんでいる場所は東の方角と北の方角だ、なら別の安全な方角に逃げ込めば住むではないのだろうか。しかし、そこに行ったとしても街の外には異形がいて遭遇そうぐうするので安全とは言わない。なのでどちらにしても手詰てづまりだった。くやしかった、自分はリーダーの筈なのに何も出来ない事がとてもくやしかった。ミツルは顔を下に向けたまま黙りこくってしまう。それを見た人達の皆も黙ってしまう。


もう駄目だと、皆が思った中2人の少女が声をかける。


「ねえ、化物を何とかすれば良いんでしょ」

「なら、私達に任せて」


その誰もが見知った声に皆が振り向く。先程声をかけた者は1ヶ月前にこの街にやって来た2人の少女、姉の方はヒナガ、妹の方はアスガだった。ミツルは何を言っているのか分からなかった。何とかする?任せる?今、攻めてきている化物から皆を守る方法が2人は何かを知っているのだろうか。それを聞いてみる。


「簡単」

「あの化物を倒せば良いだけ」


それを聞いて皆が驚く。倒すってあの化物を?無理だ、出来るわけがないと皆が思う。しかし、ヒナガとアスガはハッキリと言う。皆は安心してここで待っていれば良いと。本当にこの2人が何とかしてくれるのか。なら、信じて見ようと次々と声が上がっていった。だが、ミツルだけは違った。


「ちょっと、皆!待ってほしい。本当にこの2人があの化物を倒せるとでも思っているのか!」

「でも、信じるしかありません」

「そうよ私、何故かは知らないけどこの2人ならやってくれるとそう思っているの」

「私も!」

「あたいも!」


次々と2人を信じようという声がハッキリとミツルの耳に届く。自分は考える。本当に2人を行かせて良いのだろうか。ミツルはどうしてもこの2人が化物相手に何か出来るとは思っていない。そんな中皆は2人を信じている。なら自分も信じるしかないと思う。


「ミツルさん!もう目の前まで化物が来ています!早くしてください!」

「っ!分かった!ヒナガ、アスガ君達を信じる。だから、この街を守ってくれ。だが、無理だけは絶対にするな、良いな?」

「分かった」

「大丈夫、直ぐに終わらせて来るから」


そう言うと2人は天井に向けてジャンプする。皆は目を開く、あんな高い所までジャンプするなどあり得ない。2人は一体何者だろう。そう思っている間に2人は別れる。ヒナガは東、アスガは北へと行った。だが何人かは2人が心配だったのでこっそりとついて行った。出来るだけ安全な場所で2人を見守ることにした。


~東~

東の場所に行ったヒナガにやっとこさ追いついた数名はヒナガの戦いを見る。双子姉妹で顔が似ているのでどちらがヒナガでアスガかは最初は分からなかったが雰囲気で分かるようになっていった。なので今、凍りの化物と戦っているのがヒナガになる。見に来た人達はただその戦いに見いられていった。


本当にあの子は人間なのだろうか。ヒナガと名乗る少女は今美しく輝く銀色の炎をまとっていた。凍りの化物は襲いかかろうとするがヒナガは炎を放ち一瞬で凍りの化物を消し飛ばす。次々と化物を倒すヒナガを見た人達はカッコいい、素敵、キレイ、美しい、などの感想をらしていった。


~北~

一方、北の場所に行ったアスガも同じだった。アスガの後をつけていった人達はその戦いに魅了される。ヒナガとは違いアスガは美しく輝く銀色の氷をまとっていて、炎の化物を氷を放ち一瞬で吹き飛ばす。次々と倒すアスガにヒナガを見ていた人達と同じ感想をらしていた。


そして戦いは終わりヒナガとアスガの勝利になった。ヒナガとアスガは纏っていた物を消して皆の所に戻ろうとするが何人かが少し離れた所に自分を見ているのに気づいて声をかける。見たんだねと、それを聞いた人達は黙り混む。それをヒナガとアスガは別に大丈夫と言った。どうせバレると分かっていたから。これから皆に2人の事について話すつもりだった。なので一緒に戻ろうと言い戦った場所を後にする。


ヒナガとアスガがこの街に来た時からすでに物語は始まっていた。ヒナガとアスガ、その他の人達は知ることになる。この街にやって来た理由を。そして次々と大きな戦いに巻き込まれると言う事を。だがその事を知るのはまだ少しのお話だった。


~デット・テンペスト~銀色のミーティオ~フェノメノンの在処~

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