第2話

「こんにちは!探偵!ナイトスコップ、探偵局員の越前屋ぴょう太です。今日はこちらの森ノ木図書館の館長さんから、人探しの依頼を受けてやってまいりました。早速中へ入ってみたいと思います」


髭面、長髪の男がマイクを持ってやって来ます。


「あ、あなたがポム館長さんですね。こんにちは」


「……」


「今日は、人探しのご依頼ということで」


「……」


「どなたをお探しでしょうか?」


「……」


「以上です、下岡局長!」


「以上ですやあらへん。ちゃんと調査しなさい」


お約束のボケを一通り済ませ、本題に入ります。


「ポム館長さんはシャイな方のようなので、副館長の柴田さんにお伺いしようと思います。今日はどの様なご依頼でしょうか?」


「今日は、ポム館長の持ち主を探して貰いたいんです」


「持ち主ですか?」


「はい、ポム館長は20年ほど前に開かれた『お泊まり会』に参加したぬいぐるみの一つなのですが、持ち主が引き取りに現れず、そのままずっとこの図書館で待ち続けているんです」


「20年も!それは長いですね。何か手がかりになる事はありますか?」


「私が前館長から引き継いだ時に聞いた話では、確か持ち主は小さな女の子で『しーちゃん』と呼ばれていたそうです」


「しーちゃんという女の子、いくつくらいでしょうか?」


「多分、4,5歳でしょうか。『お泊まり会』の参加は小学生までのお子さんなので」


「手がかりはそれだけですか…難しいなぁ。でも、なんとか探してみましょう」



役所や近所への聞き込みをしてみましたが、結局この時にはしーちゃんは見つかりませんでした。




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