第19話 感謝の日

今日は病院で面談の日だったので、軽い診察の後、一時間お話をして頂きました。


診察では新しい薬で低血圧ぎみになるので、半量にしてもらいました。


面談は、新鮮な若い生命力をぶつけられたような感覚に戸惑いましたが、自分のとても重いものに穴が開いて、外の空気が入るような感じです。


話せないかもしれないと体調を思い、先に書いておいた手紙を、初めて相談員の男性に渡し読んでもらいました。


率直に、もっとわがままになってみたらいいんじゃないか。自分の中の濃い色を出してみていいんじゃないか。そうしたら希死念慮は和らぐと思う。という言葉が印象的でした。


ありがとうございました。いつもどこまでもにごりないはっきりしたその姿見、その言動に、私はなぜか疑いがもてないのです。


疑いのかたまりのような私に、あの方をつなげて下さった前主治医は、ここまでを見通して紹介したのかもしれません。


あなたは、なんとも疑いが深い質ですな、と少し笑顔で話していた白衣の姿を思い出すのです。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る