何も知らない僕ら

 明日には終わっているだろうか。

 認知した時の感情はまるで、急遽舞い込んだ仕事の憂鬱さ。

 知名度がないからことを理由にした、怠慢ではないか。

 想定もしていない上層部に、ぶつけられない不満が溜まる。

 容量と時間を賭けているこちらが、腑抜けな姿を窓に写す。

 透明な壁の奥、車から延びる足場で電柱を弄る、仏頂面なヘルメット。

 笑みはなく、ただ汗を流す彼に、夕陽が影を纏わせる。

 気付けば、体は夕食の支度を始めていた。

 また画面を覗いても、ゲームのお知らせは取れていないけれど。

「なんで、気になっていたんだろう。」

 明日には終わっているだろうか。

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