変わらないもの

 会社の飲み会というのは厄介だ。

 新人と古株で空気に差が出すぎてしまう。

 会話の歯車が合わず、乾いた笑い声が出る。

 他の客の談笑が妙に温かく感じ、ここに低気圧があるようだ。

 治安維持こそ最善だと信じた私。踏み込まない台詞の羅列。

 仮面が外れないによう、気丈に演じる息苦しい時間。

 精一杯の応酬に、ふと、軽い返答が遮った。

「私達、同じなのかもしれませんね。」

 酸素が肺を駆け回り、頬から欠片が落ちていく。

 以前よりも大きく、そして鮮明に写る上司の笑顔は

 私を軽くさせるのに十分だった。

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