独白

たんぽぽ

贅沢な黄昏

 クラスの連中がつまらない。

 流行りの曲。お気に入りの店。昨日の出来事。

 似たようなことを何故他人に言うのか。

 感情や思考を押し付けているだけではないのか。

 隣人の顔や声は目と耳を覆い、自席の机に視界が奪われる。

 泥濘に頭まで浸かっている息苦しさに、思わず左の窓へ首を向けた。

 グラウンドが見える。砂利のみの世界。

 一面に広がるこの景色が、なんの変哲もなく、ただ風を受ける。

 この静けさも、放課後は無数の足に叩かれるのかと思うと、

 創立から無口で居続けている我慢強さに、敬服と疑問を抱いてしまう。

 「どうしてあなたはそこにいるのですか?」

 誰も応えることができない声に、浅い息が漏れた。

 

 



 

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