たっきゅーぶ
朱里
第1話
初めまして、私は柳沢鈴蘭って言います。まさか中学入学式前日からインフルエンザでお休みしてしまうことになるとは…出遅れた分クラスの人と仲良くなれるか心配だけど頑張ろう!
家庭の事情で引っ越してきたので知ってる人が誰もいないんですよね…ちょっと、いえかなり心配です。
「おはようございます~…」あっ黒板の横に席が書いてある。
よかったぁ自分の席どこかわからなかったらどうしようかと。
お、私の前の席に座ってる人がいる。
ここは先手必勝!自分から声をかけてイニシアチブを取るんだ。
「初めまして私は柳沢鈴蘭です。よろしくお願いします。」
「は…初めまして…大久由紀恵…です。よろしく」
大人しい子みたい、良かった。
「ねーもう部活決めた?今日が見学の最終日だよねー」
「うわっ!そうだった見学行っとかないと」
「私も忘れるところだった!」
そうなんだ…部活の見学今日までなんだ。
どんな部活に入ろうかな~引っ越すまで家のことで精一杯で全然余裕なかったし。
部活楽しみすぎて授業全く耳に入りませんでした。
というわけで見学に来たわけですが、どこも人数多すぎません?もっと人数少なくて落ち着けるところがあるといいんだけど。
さまよい歩いているうちに校舎の奥に来ちゃった…なんかカコン・カコンって音が聞こえる。結構この音好きかも。
「すみません見学させていただけますかって大久さん1人?」
「は…はい、どうぞ。柳沢…さん」
「ここは何部なの?」
「卓球部…らしいです。誰も部員いないらしいですけど…」
誰もいないのに部室あるんだ。
そしてさっきの音は大久さんがぼっち卓球してた音か。
大久さんは1人でどうやって卓球してたんだ…?
でも人数も少ないし落ち着いてそうだし結構私の条件に当てはまってそうな感じがする!。
「せっかくだし卓球させてもらえる?初心者で申し訳ないけど」
「ラケットは…その箱の中にたくさん…あります」
「種類があるんだね。これでいいや握りやすいし。カモ~ン」
「じゃあ…はい」
山なりのボールだ楽勝楽勝。
「うりゃ!」
ボ――――――――ン
おっかしい球技下手くそだなんて特別思わなかったんだけど…えっ卓球ってもしかして滅茶苦茶難しい?
次はもっと力弱めで…
「もう一回お願い!」
んんん今度は力が足りずネットに引っかかっちゃったよ。
「ごめん、アンコール!」
カコン
「やった!返せた!ってああああ喜んでいる間にボールが返ってきちゃってた…」
何だろう、工夫したことがすぐ結果に表れて楽しい!
「初心者ですぐコントロールできるのは…すごい…よ」
「難しいけど卓球面白いね。うん、決めた。私も卓球部に入ります!」
こうして私の部活動が決まりました。
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