11 「知性」説明図
図:https://19084.mitemin.net/i383559/
広い意味では、知性=人間性が、限りない想像力と欲求をもたらします。
しかし狭い意味でいうと、知性は想像力や認識の部分に重心を置き、
人間性は欲求や決定の部分に重心を置いた言葉だと思います。
人工知能に無制限的な自己保存の欲求まで持たれては危険ですし、
人間性とは単なる想像力や創造性にとどまらず、
ルネッサンスの人間像のように、良くも悪くも色々なことを求める欲求の多様性、
特に社会的に望ましいことを求める属性に、重点があると思うからです。
この図では想像に重心を置きつつも、より動的に、想像と欲求の相互作用が、
3つの文明活動の相互関係のなかで、どんな働きをするかを示しました。
合理的な推論から完全な
自然・社会科学的な技術を生み出します。
全くの空想であっても、法律概念や貨幣価値といった、
社会工学上の技術の基礎となり得ます。
技術は個人の行動や社会活動を複雑化させるので、
欲求の多様化・可変化、無制限化をもたらします。
そして、社会活動における様々な欲求の衝突は、
それを調整する政策の必要性をもたらします。
しかし一方で、人間の無制限的な欲求は、
新たな技術を開発・普及する政策の原動力にもなります。
狭い意味での知性とは、想像力(抽象的思考能力)により、
科学・技術のような一般的事実認識を可能とする、
高度な認識能力だけを指すと思います。
しかし、技術や知識を活動に活かせなければ意味がないので、
広義の知性とは、高度な認識能力に特定の目的を加えた様々な判断により、
環境の違いや変化に応じて活動を制御・改善する能力までをさし、
人工知能に任せられるのはこれぐらいまでかと思います。
ただしそれが人間性となると、人間のように高度な知性をもつ生物が、
高度な認識に自分自身の様々な欲求を加えた、自らの意思決定により、
願わくば社会的にも、よりよく生きられる能力までを指すと思います。
人工知能もまた、試行錯誤と学習による高度な認識と、
それに基づく活動改善ができる、
自己向上型の認識・制御プログラム(演算指示)であるといわれます。
しかし、独自の意思まで持たれては危ないので、
活動目的はあくまで人間が与え、意思決定を支援する場合も、
人工知能が行うのは参考情報の提供に止まるでしょう。
最終決定は人間が行わねばならないということで、
人工生命や人工人格ではなく、
人工知能(Artificial Intelligence、人工知性)と呼ぶのでしょう。
人間の思考を代行させるために作ったので、
当然と言えば当然なのかもしれませんが、
人工知能を開発することは、
人間自身を知ることでもあったのかもしれません。
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