F/E

ドリンクの薄まったグラスには


小さな氷がひと欠片


たまった水を飲み干そうか


ストローをかき回して考える




カフェオレをおかわりする彼女は


一人でいる私を不思議がる


ともだちは多い方が幸せよ


疑いもなくそう言った




木目調の焦げ茶テーブルに


板付きの伝票が伏せてある


いつに店を出ていこうか


頬杖をついて思案する




カルボナーラに舌鼓打つ彼女は


恋人のいない私を嘆いてた


恋バナが聞きたいのに!


頬を膨らませてむくれ顔




2人分合わさった伝票の側に


四つ折状の英世2枚


どうやってお釣りを返そうか


腕を組んで熟慮する




苺ミルフィーユを頬張る彼女は


無趣味の私に手を止めた


考え直すべきじゃない?


それきり黙って食べきった




透明カバーのスマホには


新着ツイートの通知あり


まだ足りないからパフェ食べる!


笑顔の自撮りは引き攣り気味




伝票と英世を手に立ち上がる


お釣りはどうにか返さなきゃ


彼女は足りない!と怒るだろうし


最低限のマナーだから



はぁ…お腹いっぱいだなあ。



彼女もきっとそうじゃないかな

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