第三段

むかし、男がいた。

おもいをかけていた女に、ひじきを送り、そこに合わせた歌。


草はらのなかの

荒れ果てた小屋のなか

すべてを捨てて

共寝ができたら。

愛し合う

ふたりのひじとひじが、

磁気を発して重なりあって


二条の后がまだ帝のもとに仕えておらず、臣下の身分にていらっしゃったときのことである。

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