第11話 放射能
皆さんは「シン・ゴジラ」観ましたか?
私は2回観ました。面白かったですね。
言うまでもないですけど、この作品は東日本大震災と原発事故をモチーフにしてます。それが物語に深みを与えてましたね。
それだけに気になったのが、ラストで女性科学者が「ゴジラが放出した放射性物質の半減期が十数日」だと算出して、「良かった」とつぶやくシーン。
これ、単純には喜べないんですよ。
半減期とは、ある物質が持つ放射能が半分に減るまでの時間です。放射能とは、放射線を出す能力です。
放射性物質の原子は、放射線を1発放つと別な物質の原子に変わります。ほとんどの場合、変化した先の物質は放射能を持たないので、その分、放射能は減るわけです。
つまり、「半減期が短い」と言うことは、その物質がどんどん放射線を出して別な物質に変わっていくことになります。
そして、「放射線を出す能力」が放射能なので、実は「半減期が短い=放射能が強い」わけです。
要するに、ゴジラが放出した放射性物質は、「短期間にガンガン放射線を出しまくる、強烈な放射能を持つ」と言うことになります。
半減期が十数日なら、1ヶ月でほぼ4分の1、半年で千分の1となります。しかし、最初の何ヵ月かは厳重に隔離しないといけません。
都心部がそれだけの期間封鎖されたら、大変なことになります。風などで放射性物質が飛び散って、避難所で被曝する危険性もあります。
一方、福島の放射能汚染は、既に放射能が高い物質がほぼ消滅しています。実は、危険なほどの高線量地域はすっかり消えていて、居住可能な地域が拡がっています。
既に福島産の農産物も海産物も安全性が確認されてます。どんどん「食べて応援」したいですね。
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